紙面で振り返る平成の歩み・15/15(2003)年/準大手・中堅で資本提携加速

2019年2月25日 トップニュース

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 △ダンピング受注横行で防止対策
 △直轄工事・コンサル業務で電子入札を全面導入
 △準大手・中堅ゼネコンで資本・業務提携が加速
 建設投資がバブル前の50兆円台に落ち込み、供給過剰の建設業界ではダンピング受注の問題が深刻化。2月には国土交通省が直轄工事で低入札価格調査制度対象案件の履行保証割合の引き上げなどを柱とした「ダンピング受注防止対策」をまとめた。同省と公正取引委員会が連絡会議を設置し、ダンピング受注防止に向けた連携や協力の在り方などの検討に乗りだした。
 不正行為の排除に向けた対応も強まった。国交省が3月に談合情報対応マニュアルを改正し、工事費内訳書や誓約書の提出、指名停止期間の加重などを盛り込んだ。不正行為を行った受注業者に対し、請負代金額の10%相当を違約金として求める特約条項の適用も6月に開始された。
 入札契約業務の軽減に向け、国交省が4月から全直轄工事・コンサルタント業務に電子入札を導入。各省庁や地方自治体でも公共工事に電子入札を導入する動きが広がった。
 経営再建中の準大手各社で不採算事業の分離や再度の金融支援が相次いだ。数年来続いた「ゼネコン危機」が一段落しつつある一方で、業績不振を打開するため、中堅ゼネコンも含めて資本・業務提携などにより、相互補完と業容拡大で受注増を目指す動きが目立った。
 企業合併では「三井住友建設」が発足した4月に、熊谷組と飛島建設が経営統合を発表。道路子会社同士を先行合併させるなど、05年春の合併に向けて調整を進めた両社だったが、04年11月に合併の白紙撤回を発表した。