紙面で振り返る平成の歩み・28/28(2016)年/生産性向上の重点プロ始動

2019年3月25日 トップニュース

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 △ICT施工など現場の生産性向上の重点プロ始動
 △建設キャリアアップシステム具体化へ
 △熊本地震や豪雨被害など自然災害相次ぐ
 建設現場の作業効率を高める官民の取り組みが活発化する。日本建設業連合会(日建連)が設置した生産性向上推進本部が1月から本格始動。国土交通省の生産性革命本部も3月に発足し、土木工事に情報通信技術(ICT)を活用する「i-Construction」など重点プロジェクトの実施に乗りだした。
 成長戦略の新たな司令塔となる政府の「未来投資会議」が発足。9月に初会合を開き、石井啓一国交相が建設現場の生産性を2025年度までに2割向上させる方針を表明した。10月には国交省が建設産業の10年後を見据えた政策を議論する有識者会議を設置し、関連制度の新たな基本的枠組みなどの検討に着手した。
 建設技能者の就労実績や資格などを統一ルールで蓄積する「建設キャリアアップシステム」の基本計画書が4月に決定。システムの具体化と本格運用に向け、建設業振興基金を中心に検討が加速する。
 4月に最大震度7を観測する熊本地震が発生し、熊本城の損壊や橋梁の崩落、山間部の斜面崩壊など被害が拡大。8月には三つの台風が上陸した北海道や東北地方を中心に豪雨被害が相次いだ。被災地では建設業界も災害対応に奔走した。
 交通インフラのコンセッション(公共施設等運営権)事業が各地で動きだした。7月に国の管理空港で初めて民間に運営委託する仙台空港、10月には有料道路で全国初となる愛知県有料道路(公社管理8路線)の同事業がスタートした。