BIMの課題と可能性

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BIMの課題と可能性・126/樋口一希/日建連「施工BIMのスタイル事例集」  [2016年9月8日]

施工BIM実施の内容割合

施工BIM実施の効果内訳

 14年12月刊行の日本建設業連合会(日建連)の「施工BIMのスタイル-施工段階における元請と専門工事会社の連携手引き2014」。同書の『0.5事例』を拡充するため編纂された増補版「施工BIMのスタイル事例集2016」(元請編+専門工事会社編)が8月25日に公開された(問い合わせ先は日建連建築部=電話03・3551・1118)。日建連のホームページから購入申し込みでき、PDFファイルのダウンロードも可となっている。


 □最も危険といわれる「離陸直後」から脱したBIM運用は巡航高度での安定飛行に至るのか□


 本稿開始から約3年を経た現在、BIMの現況はといえば、「離陸後、5分経過段階」と考えている。航空機においてクリティカル11ミニッツ=離陸時4分+着陸時7分が最も危険な時間帯だという。BIMも離陸はしたが、巡航高度には至っていない。揺り戻しの危険もはらみつつ、巡航高度での安定飛行は実現するのか、極めて重要な局面を迎えた。

 そのような状況下、「手引き」編纂担当の専門工事会社BIM連携ワーキンググループ(連携WG)は、業としての建築の生産性向上の要諦として施工BIMが定着するためには、「手引き」の内容や実際のBIM事例などを広く周知する必要があると考え、15年に▽全国(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、博多)でセミナー開催▽日建連のウェブサイト内に「手引き」に関する資料などを公開する専用ページを開設▽施工BIMの最新事例調査-を行った。

 具体的には、最新事例調査で集まった79事例(元請40、専門工事会社39)から23事例(元請13社、専門工事会社10社)を選び、考察を加え編纂している。


 □元請のリーダーシップなども背景にして事例中約70%が目的を達成して効果ありと回答□


 調査結果によると、全79事例の約60%で元請と専門工事会社が連携して施工BIMに取り組んでおり、工種も、鉄骨ファブリケーター、設備サブコン、外装材メーカー、鉄骨階段メーカー、エレベーターメーカーなどへと拡がっている。

 運用目的は、多くの事例で、干渉チェック・納まり確認、工事関係者との合意形成、施工性検討・施工シミュレーションが挙げられ、事例中約70%が「目的を達成して効果があった」としている。

 実施内容をみると、建築-設備間の干渉チェックなどの「納まり検討:調整」で多用されており、加えて元請では、RC造の配筋の可視化や建物利用者との合意形成、掘削土量やコンクリートの数量把握などにも援用されている。専門工事業者ではBIMモデルから施工図・製作図作成や施工計画へ援用する事例がみられ、複数の鉄骨ファブリケーター間や設備サブコン(空調・衛生・電気)間など専門工事会社同士での連携や自社単独でモデル作成した事例など、元請-専門工事会社間の連携以外でもBIMモデルを効果的に援用している。

 ※前稿訂正=Direct Shapeは「Revit2015」から搭載。機能でなくAPIで使用するクラス。

 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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