第91回 全国安全週間 中部地区企画特集

2018年7月4日 特集

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 今年も7月1日から第91回全国安全週間がスタートした。産業界での自主的な労働災害防止活動を推進し、安全意識の高揚と安全意識の定着を図ることを目的に、昭和3年から一度も中断することなく続けられてきた。
 建設業における労働災害は、先人をはじめ多くの関係者の努力によって減少傾向にある。過去の事故事例を検証し、事故を起こさないよう先人たちが試行錯誤し生まれたものが「基本ルール」であり、危険の芽を事前に摘み取り安全な作業環境実現のために体系化しものがリスクアセスメントや建設業労働安全衛生マネジメントシステム(コスモス)だ。我々は先人たちの安全に対する努力の結晶を受け継ぎ、さらに良いものに昇華させ、次の世代に渡す義務がある。
 今年の全国安全週間スローガンは「新たな視点でみつめる職場 創意と工夫で安全管理 惜しまぬ努力で築くゼロ災」。安全活動は一日一日の積み重ねが重要だが、事故の要因である「慣れ」と隣り合わせだ。このため、現場に危険の芽がないか、安全作業にもっといい方法はないか、常に考え工夫して取り組むことが求められている。
 今年は、労働災害を減少させるために国が重点的に取り組む事項を定めた中期計画「第13次労働災害防止計画」と、建設業における労働災害防止に関する中期計画の目標と重点対策を定めた「第8次建設業労働災害防止5カ年計画」のスタートの年。一人の被害者も出さないとする強い理念のもと、建設業の将来を担う若者や女性が希望を持って働くことができる「安全・安心で健康な職場づくり」を実現することが重要だ。