三菱地所ら/空飛ぶクルマの実機実証へ、25年度下半期にも

2025年6月5日 技術・商品 [4面]

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 三菱地所らは2025年度下半期、空飛ぶクルマの実機を使い、運用技術を実証する。離着陸場の運用を自動化・最適化するシステムを導入。飛行前の準備から出発、巡航、着陸、運行終了まで一連の流れを確認し、本格運用に向けて課題を洗い出す。従来ヘリコプターなどを使っていた実証が、新たな段階に移行。空飛ぶクルマが上空を行き交う未来が、一層現実味を帯びる。
 4日に発表した。実証は同社と兼松、SkyDriveの3社で推進する。
 Skyports社(英国)の協力を得て、離着陸場の運用を自動化するシステムを導入する。システムは空き状況の管理や周辺空域の監視、運行支援、地上設備の管理、乗客のチェックイン、乗客管理などを広くカバーする。
 三菱地所は保有施設などに離着陸場を設置する。兼松はSkyports社との連携や運営に関する検討を担当。運行実証はSkyDriveが担い、空飛ぶクルマを使ったビジネスモデルの構築に役立てる。機材は同社の「SD-05型機」を使う。2025年大阪・関西万博で実物大模型が展示されている。
 三菱地所は23年度、空飛ぶクルマを都心部で運行する未来をにらみ、ヘリコプターを使って課題を検証した。新丸の内ビルディング(東京都千代田区)の屋上と臨海部にあるヘリポートの間で運行。風や音など、周辺環境への影響を確かめた。5月には商業施設「御殿場プレミアム・アウトレット」の敷地内に空飛ぶクルマのポートを開設した。
 今回の実証は東京都の「空飛ぶクルマを活用したサービスのビジネスモデル構築に関するプロジェクト」に採択されている。