エフティーエス、清水建設ら/山岳トンネルのコンクリ-ト吹き付け自動化システム開発

2025年6月10日 技術・商品 [3面]

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 建設機械の開発や販売を手掛けるエフティーエス(東京都中央区、木村浩之社長)と清水建設らゼネコン4社は、山岳トンネルの「コンクリート吹き付け自動化システム」(ヘラクレス-Auto)を開発した。肌落ち災害リスクや粉じん濃度が高い切羽直近での作業を自動化することで、作業員の安全を確保する。引き続き実証実験で蓄積したデータを基に現場検証と改良を進め、山岳トンネル工事への早期実装を目指す。
 共同開発したゼネコンは清水建設、戸田建設、西松建設、前田建設の4社。開発に向け5社は、栃木県那須塩原市にあるエフティーエステクニカルセンター内の模擬トンネルで現場条件を再現し、実証実験を進めてきた。
 同システムは「自動制御吹き付けロボット」と「吹き付けナビゲーションシステム」で構成する。オペレーターはタブレットでノズルの上下左右の動作や進行方向、支保工の裏吹き、吹き付け速度を設定。吹き付けを行うエリアはトンネル周長を分割した番号で設定する。圧送エアーやコンクリートポンプの始動、急結材圧送のスイッチは、タブレット上のボタンで操作する。
 設定後はミリ波レーダーを使ったリアルタイム吹き付け厚さ表示「吹き付けナビゲーション」で出来形を確認しながら作業を進める。ナビゲーション表示では、設計に対する出来高を厚さごとに色で表示。3Dと2D展開図で表示できる。