大成建設ら/医薬品製造施設内の防虫システム構築/温湿度調整で生存困難に

2025年6月18日 技術・商品 [3面]

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 大成建設とアース環境サービス(東京都中央区、田渕徹社長)は医薬品製造施設内の防虫対策として、空調設備による温度と湿度の調整で虫の発生や定着を抑制するシステムを開発した。クリーンルームなど生産エリア周辺に外部から虫が侵入しないよう、「ペストコントロールエリア」として防虫バリアー区画を構築。極小で定着しやすく繁殖力も高いチャタテムシの生存が困難な高温低湿度になるよう空調を制御する。チャタテムシの混入が懸念される医薬品など生産施設向け防虫対策技術として積極提案する。
 開発したのはチャタテムシ制御空調システムの「T-Pest Control System」。アース環境サービスの研究で解明された生存が困難な温度や湿度、生存期間などの環境条件に合わせて空調を制御する。医薬品工場は外部で人や物に付着した虫の侵入を完全に防護することが難しい。防除活動で空調を止めるケースも発生するなど生産活動に大きな影響が出ていた。
 防虫バリアー区画に設置する防除用空調機は、単独で新設したり、既存施設に設置しているクリーンルーム用空調機を利用したりできる。同システムは工場の新築や改修を問わず適用できる。