オートデスク(東京都港区、中西智行社長)はBIMソフトウエア「Autodesk Revit」向けの新たな構造用ファミリ(部品データ)として、構造系の免制震装置と既製杭を整備した。制震建物や既製杭の設計時に、設計者がCADデータを取り寄せる手間を減らし設計効率を高める。それぞれの設計情報を生産工程でも利用できるようにし、生産性向上につなげる。
免制震装置を製造する川金コアテック、センクシア、日鉄エンジニアリングの3社と連携。免制震建物の設計で採用される▽オイルダンパー(制振、免震)▽耐震ブレース▽制振ダンパー▽球面すべり支承▽鋼製ダンパー-を共同で整備した。日本ヒュームとともに、既製コンクリート杭も整備した。
設計者、メーカーともにデータを利用しやすくするため、入れ子構成の免制震装置と既製杭ファミリを整備した。設計者が直接編集するホストファミリには設計符号や型番などの設計情報を付与。メーカーが整備するファミリには装置や部材の詳細な情報を含めた。
設計業務では、設計事務所や建設会社が異なるソフトウエアでデータを作成しているケースがある。各部材のモデルに含まれる属性データが異なるため、設計から生産、施工、維持管理までの各プロセスでデータの連携や活用ができない課題がある。
こうした課題を受け、オートデスクはRevit向け構造用ファミリの国内整備を推進。大林組、鹿島、清水建設、大成建設、竹中工務店の建設大手5社と連携し、ファミリの充実化を目指している。