戸田建設は山岳トンネル工事の安全性向上に向け、表面に凹凸を設けた面木「TA面木」を開発した。覆工コンクリートの目地部に付着するモルタルを発見しやすくし、トンネル供用後のモルタル片の剥落を防ぐ。既に実際の工事に導入し、視認性の向上効果を確認した。
TA面木は目地部に使う面木の形状を改良し、先に打設された覆工との接触面に凹凸を設けた。付着したモルタル分の表面に凹凸を生むことで、視認性を高めた。型枠脱型後の仕上げ作業での見落としを防ぎ、確実にモルタル分を除去できるようにした。
西日本高速道路会社から受注した「新名神高速道路宇治田原トンネル東工事」と、国土交通省中国地方整備局から受注した「木与第1トンネル工事」の2件で実証実験を行った。目地部に付着したモルタル分の視認性が高まることを確認した。
覆工コンクリートは約10メートルごとに、施工区間の継ぎ目となる打ち継ぎの目地が設けられる。目地部の打設作業では、面木と覆工の隙間にモルタルが付着しやすい。仕上げ作業で見落とすと、剥落して通行する自動車を損傷させるリスクがあり、施工の課題になっていた。