三菱地所レジデンスは長谷工コーポレーションと連携し、マンションの大規模修繕工事の周期を12年から18年に延ばす新たなスキームを構築した。外装に耐久性の高い部材を採用し、適切な補修を行うことで、足場を架ける大規模工事を減らす。40年間の修繕積立金は総額ベースで4~9%減らせる見込みで、住宅購入者の経済負担を軽減できる。
長谷工コーポの標準仕様のシート防水を採用する。軟質塩化ビニル樹脂製のシートを使った防水工法で、気候や温度、薬品に対して高い耐久性を維持。一般的な部材より5年長い15年の屋上防水保証期間を確保する。
シーリング材は100度の高温下で30%の圧縮、マイナス10度の低温下で30%の引っ張りに耐えられるものを採用する。JIS規格で最高グレードの高耐久MS-2を用いる。期待耐用年数20年のシーリング材を採用することで高耐久化を図る。
認定されたタイルと接着剤の組み合わせに付与される「Q-CAT認定マーク」が適用された認定工法を採用する。施工記録を残すことで、10年ごとの自治体への定期調査報告を一部の引張接着試験のみで完了。建物全面の打診検査を免除できる。
同スキームを2027年1月に完成予定の「ザ・パークハウス川越フロント」(埼玉県川越市)に導入する。三菱地所レジの試算によると、40年間の修繕積立金の総額を9%程度、約2・3億円減らせるという。