清水建設ら/切羽形状測定を無人化/鋼製支保工にドローン吸着

2026年5月19日 技術・商品 [3面]

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 清水建設ら4者は、山岳トンネル工事の切羽形状測定作業を無人化するシステムを共同開発した。ドローンを切羽付近の鋼製支保工に吸着させ、切羽形状の高精度な絶対座標付きの点群データをリアルタイムに取得する。高速道路や新幹線など複数のトンネル工現場で実証し、作業の生産性や安全性を向上。今後も現場検証を継続し、切羽付近に工事関係者が立ち入らず作業できる自動化や遠隔化を推進していく。
 鋼材吸着ドローン測定システムの「Perch-RIM」として、大阪工業大学、演算工房(京都市上京区、林稔社長)、シュルード設計(京都市伏見区、安達基朗代表取締役)と共同開発した。
 清水建設がシステム開発を構想し評価。演算工房は3D点群データの計測ソフト開発、シュルード設計がドローンシステム設計を担当し、大工大ロボティクス&デザイン工学部ロボット工学科の東善之准教授が監修している。
 システムは、永電磁石とLiDAR(ライダー)を搭載したドローンと、ドローンの絶対座標を計測するトータルステーション(TS)で構成する。
 測定作業では、切羽と離れた場所からドローンを飛ばし、切羽付近の鋼製支保工天端に磁力で吸着させる。続いて切羽後方に設置しているTSからドローンの3D座標を取得。ライダーのセンシングで切羽面の3D点群データを取得し、両方の座標値から精緻な切羽形状の絶対座標を算出する。
 余掘りやあたりなどの掘削精度を絶対座標で定量評価でき、工事関係者が切羽付近に立ち入らず測定可能。作業時間が大幅に短縮され、工期短縮やコスト削減、人員最適化に貢献する。ドローンに標準搭載されたカメラを活用し、遠隔からの坑内巡回や切羽監視、粉じんや有害ガスの環境モニタリングといった多様な業務にも展開できる。
 施工中の▽中央自動車道新小仏トンネル(東京都八王子市~相模原市緑区、掘削距離2298メートル)▽米子自動車道三平山トンネル(鳥取県江府町~岡山県真庭市、2309メートル)▽北海道新幹線渡島トンネル上二股(北海道厚沢部町~八雲町、4540メートル)-の3現場でシステムを実証した。