国土交通省は、山間部などで実施する測量業務や砂防施設の点検・管理、工事などについて、クマ被害の防止対策を徹底するよう地方整備局などに通知した。昨年11月と今年5月、都道府県などを含め事務連絡を出した。想定する対策はクマ鈴や撃退スプレーの配備、箱わなの設置、ハンターの同行、講習会の実施など。受発注者間での協議を促し、現場条件に応じた安全対策費を適切に工事費へ反映するよう求めている。
東北地方を中心に、クマの出没や被害が相次いでいることが背景にある。特に砂防施設の点検や調査、工事は中山間地で実施されるケースが多く、河川や道路の事業に比べクマとの遭遇リスクが高い。
通知は、直轄事業に加え、都道府県が実施する砂防関係事業も対象としている。昨年11月の通知では、▽自治体などとの情報共有体制の強化▽クマ鈴やクマ撃退スプレーなど対策用具の必要数の配備・携行▽複数人での作業や通信可能範囲を考慮した行動▽専門家による講習会や訓練の実施▽ごみの放置防止などクマを誘引しない環境整備-などを求めた。環境省が公表しているマニュアルも参考資料として示した。
15日付の追加通知では対策の必要経費について、現場条件などを踏まえた上で「必要と認められる場合、適切に工事・業務契約へ見込む」よう求めた。通常の安全対策費は共通仮設費などに含まれているが、ハンターの同行や箱わなの設置など、一般的な積算を超える対応は受発注者で協議し、必要経費として計上できるようにした。
特に、測量や現地調査など少人数で山間部に入る場面のリスクを想定している。国交省水管理・国土保全局砂防部の土屋峰人課長補佐は、クマの出没などで作業を中断した場合について、「必要に応じて工期延長もあり得る」との認識を示した。これまで直轄砂防事業でクマ被害は把握していないものの、現場での目撃や遭遇事例はあるという。
春以降、冬眠明けのクマは活動が活発になる。山間部での工事も本格化することから、国交省は注意喚起を一層強めている。







