巴山組(新潟県阿賀町)/ICT建機で初の防災訓練/チルトローテーターの効果検証 

2026年9月29日 行政・団体 [2面]

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 巴山組(新潟県阿賀町、猪俣一成社長)は25日、ICT建設機械などを使用した協力会社との合同防災訓練を阿賀町にある津川新和生コンの敷地で行った。地震による土砂崩れの緊急対応や大型土のうの作成の初動、安全に作業するポイントなどを確認した。国土交通省の補助金を活用して導入したICT建機、関連機器の情報提供を兼ねた。協力会社8社と、新潟県建設業協会(新潟建協)、全国建設業協会(全建)の関係者などが参加した。
 同町は1級河川の阿賀野川が流れ、険しい地形の山間部が多い。水害や土砂災害の発生リスクが高く、同社は非常時であっても生産効率と安全性の高い緊急作業を行うための備えを強化している。巴山組は、ICT機器の購入や、購入した製品を利用した防災訓練を支援する国交省の「建設市場整備推進事業費補助金」によって、3Dマシンガイダンス対応の0・4立方メートルクラス油圧ショベル、特殊アタッチメントのチルトローテーター、3D測量に使うトータルステーション(TS)などを導入した。
 同社がICT建機などを利用した訓練を行ったのは初めて。補助金は国交省に代わって全建が交付を担った。全建によると、国交省北陸地方整備局管内でのこうした訓練は初めてという。この日は、会津盆地西縁断層帯から阿賀町で最大震度5強の地震が発生した想定で、同町から要請のあった町道の緊急的な土砂撤去と、その作業中に新潟建協から要請のあった大型土のう作成について訓練した。町内の複数の箇所に出動する中で、経験の浅いオペレーターが作業に従事することを念頭にした。
 土砂崩れが発生した現場の3D測量からの設計データを生かしたマインガイダンスによる掘削や、ダンプトラックの土砂搬出、大型土のうの作成と搬出の作業を実施した。訓練には、コマツカスタマーサポート、金井度量衡の技術者も参加し、チルトローテーター装備のICT建機、自動追尾TSの特徴を説明。マシンガイダンスによって精度の高い掘削を行えたり、車体を動かさずに斜め方向の掘削などを行えるチルトローテーターのメリットを紹介した。
 猪俣社長は訓練について「足場が悪くても建機を動かさずに斜めの掘削などが行えるチルトローテーターの効果は大きい。車両の数で把握せざるを得ない状況もある土量を正確に計測できる」と話した。災害が発生しやすい地域のため「平時から十分に備え、防災意識を高くしたい」と考えている。災害時にはパトロールの中で被害を確認することもあり「自力で(インフラ管理者の要請に)対応できるようにしたい。災害現場でも安全に効率のいい作業を行いたい」という。同社の清野義昭取締役は「災害時には方々から要請が入る。最新の機器を導入できる支援に感謝したい」と話した。