建設人材・資材を担当した前職から建設業全体を見渡す立場に変わり、「個別最適よりもサプライチェーン(供給網)全体で建設業を良くしていくことが求められる」と認識する。適切な労働分配や設備投資の前提となる「しっかり稼げる」事業環境をつくり、持続可能な産業構造づくりを政策面でバックアップする。
建設業政策の新たなビジョンの策定が大仕事の一つ。「持続的な成長産業としての建設業のあり方に関する検討会」を通じ「人材確保、事業基盤強化、商慣習是正の3本柱」で施策を具体化する。「労務費に関する基準(標準労務費)」の定着への制度的な対応も視野に入れる。「正直者がばかを見る」と言われてきた旧弊にメスを入れ、供給網全体の取引適正化に努める企業を競争環境で優位にする評価の在り方や、ダンピングを許容しない公共発注での対応を模索する。
政府が成長投資の促進を旗振りし、それを下支えする建設業の供給力の確保・向上は関心が高い。これを契機に「民間発注工事の取引慣行の中に是正されるべきところがないか見ていく必要がある」と指摘する。重層下請構造や日給制などの中で吸収されてきた経営上のリスクにどう対処するか。業行政としてのアプローチが問われる。
(いせ・なおひと)2001年一橋大学法学部卒、国土交通省入省。海事局内航課長、官房参事官(建設人材・資材)を経て7月31日付で現職。埼玉県出身、47歳。









