BIMの課題と可能性・155/樋口一希/コマツのICT建機とCIM・3

2017年3月9日 トップニュース

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 現況の土木工事との比較を通して、コマツの「スマートコンストラクション」(SMARTCONSTRUCTION)の革新性を検証する。


 □2次元図面が主体で3次元モデルを徹底利用する環境にはなかった土木工事を革新する□


 設計では、2次元の設計図面から「このように作る」座標を計算し、測量による「現況はこうなっている」座標とすり合わせるようにして、施工のための座標を生成している。

 施工現場では、それらの座標に基づき、丁張りを設置、作業者は建設機械を丁張りに合わせて移動させ、施工を進める。「このように作る」設計が正しく施工に反映しているかの検測を繰り返し、施工の完成度を高めていく。

 「スマートコンストラクション」は、3次元モデルを串刺し的に援用することで、現状の一連のプロセスをデジタル環境へと革新する。


 □国土交通省のi-Constructionが目指す方向性を先取りした「スマートコンストラクション」□


 前工程では、クラウド型プラットフォーム「KomConnect(コムコネクト)」が3次元スキャナー、ドローンなどと連携して施工現場を自動的に3次元化し、現況の3次元モデルを作成する。完成予定と現況の3次元モデルを比較、検討し、切り土量や盛り土量など施工数量を自動計算する。

 土木工事のシンボル、丁張りは姿を消した。「KomConnect」が作成した施工完成時の3次元データを基にICT建設機械が稼働するからだ。3次元制御+ガイダンス機能の支援を受けて経験が浅いオペレータでも難工事をこなせる。精度の高い3次元データを基に自動制御されるので、視認しながらオペレータに指示を出す現場作業者も不要となり、現場の安全性も高まる。

 施工現場の効率化に大きく貢献するのが施工シミュレーションだ。施工完成時の3次元データと当日工事の差分がつかめるから、工事の進ちょく計画も緻密に詰められる。排出土量から逆算して必要(最低限)なダンプトラックの台数も事前に把握できるし、地形データから最適な排出路の設定もできる。


 □多様なシステムとの連携などクラウド型サービスの優位性を利活用できる「KomConnect」□


 「KomConnect」には、ウェブ上で点群データおよび3次元データを表示、操作できるビューアと点群処理エンジンが搭載されている。

 3次元点群処理システムとして評価の高い「TREND-POINT」(福井コンピュータ)の技術を応用したもので、多様なシステムと連携したサービスを提供できるクラウド型プラットフォームの優位性が生かされている。

 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週火・木曜日掲載)