BIMのその先を目指して

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BIMのその先を目指して・13/樋口一希/日建連BIM専門部会議事録  [2017年8月24日]

「施工図のLODとBIM施工図への展開」(上)PDFファイル表紙

 日本建設業連合会(日建連)の建築生産委員会IT推進部会BIM専門部会が14年12月に発行した『施工BIMのスタイル-施工段階における元請と専門工事会社の連携手引き2014』。直近に公開された「専門工事業会社のBIM取組みに関する意見交換会の議事録」と施工LOD検討WGがまとめた「施工図のLODとBIM施工図への展開」について概説、紹介する。検索は「ホーム>建築>施工BIM(BIM専門部会)>」で情報取得可。


 □元請と専門工事会社の双方が施工者のメリットを享受するために連携してBIMを進める□


 「BIMの課題と可能性」第42~44回の「東芝エレベータのBIM運用」で建設会社と専門工事業者とのBIMを介した関係を報告したのは14年11月。東芝エレベータ側の立ち位置が「BIM対応の背景には自社業務の生産性向上があるが、目標は彼方に据えた。目指すべきは、顧客=建築(建設)業界との関係の再構築・連携である」であったように、当時、両者の関係はBIM前夜といえる状況であった。その後、BIM専門部会は専門工事業への積極的なアプローチを進め、6月下旬から「昇降機械設備編」「金属製品製造会社編」「アルミ建具メーカー編」の議事録を立て続けに公開した。


 BIM専門部会では、公開の目的を「元請と専門工事会社の双方が施工者のメリットを享受するために、連携してBIMを進めるプロセスなどを明確化した」と明示している。


 □「第5回専門工事会社のBIM取組みに関する意見交換会 昇降機械設備編」議事録□


 東芝エレベータ、日立ビルシステム、フジテック、三菱電機ビルシステム事業本部の4社が意見交換会に参加。設計段階でのBIM対応についても論じられているが、ここでは施工BIMにおける建設会社へのBIM対応について報告する。建設会社側でも全物件をBIM対応しておらず、どの物件をBIM対応とするかの入口段階から専門工事業者共々、選択的な対応となるなど現状での課題が語られている。一方、BIM対応物件においては、機械室レイアウトにおけるBIM活用事例、鉄骨FABとの連携事例、干渉チェック事例が報告されており、3次元モデルによる「見える化」が効果大であるとの共通認識が表明された。


 □「第6回専門工事会社のBIM取組みに関する意見交換会 金属製品製造会社編」議事録□


 イシハシ金属工芸、菊川工業、三晃金属工業、トラスト・ワンの4社が参加。

 製品製造段階でのCAD/CAMとBIMモデルの連携を模索したり、汎用品ではない特殊な金属加工が得意であるなど専門工事業者側の立ち位置の違いも明らかになる中で、メリットが大きな3次元モデル合意や、より精度の高いデータ連携の手法確立への期待が共有された。


 □「第7回専門工事会社のBIM取組みに関する意見交換会 アルミ建具メーカー編」議事録□


 三協立山三協アルミ社、不二サッシ、LIXIL、YKK APの4社が参加。

 開口部・サッシなどのアルミ建具の特性上、各社とも設計BIM対応が過半以上を占めると表明する中、施工BIM対応を進めるためには建設会社側が主導権を持って意匠担当、現場担当、専門工事業者のミーティングを開催し、その場で意思決定するルール創りへの言及もあった。


 □「施工図のLODとBIM施工図への展開」(上)(下)□


 (上)編は、「BIM施工図とは」「BIM施工図の課題」「BIM施工図に必要なLODとは」「BIM施工図のLOD設定」から構成。

 注目すべきは、BIM施工図とは「モデル上で調整し、整合性を取り、モデルから施工図を作る業務プロセス」として明確に再定義、「BIM施工図では施工図を描く作業とモデル入力が一体なので、常に3次元モデルが最新の状態にあり、施工図を描く範囲、つまりはほぼ全ての部位が見える化されている」と明示していることだ。

 (下)編は、建物の部位ごとにモデル入力の要諦が整理された「BIM施工図の早見表」を掲載。

 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週火・木曜日掲載)

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