BIMのその先を目指して

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BIMのその先を目指して・58/樋口一希/東急建設の「新入社員の一日VR」  [2018年6月28日]

「あの図面どうなった?」と作業所内で確認。ホットスポットに打ち合わせコメントを表示

 ICT(情報通信技術)などの先端技術を活用して建設現場における課題解決を目指している東急建設では、トランスコスモス(渋谷区)の技術支援の下、VR(Virtual Reality=仮想現実)技術を用いて建設現場の施工管理業務を体感できるスマホアプリ「東急建設/新入社員の一日VR」を開発し公開に踏み切った。

 □スマホアプリの臨場感あふれる360度映像により建設現場の一日を新入社員として疑似体験□

 連載第18回「東急建設の体験型安全衛生教育システム」では、災害事故の疑似体験を通して安全意識を喚起、事故撲滅につなげるべくVRゲームのテクノロジーを活用していた。これまでの安全衛生教育は教本・映像などによる学習が主体であったが体験者がゴーグルとコントローラーを装着し、VR空間上の建設現場において実際に手足を動かしながら没入感を体感しつつ学習する体験型システムとなっている。
 ゲームコンテンツに採用されている感情や心理といった人間の行動原理に影響を及ぼすストーリー展開技術を活用することで、建設現場の災害事故に至る過程をVR空間上でリアルに再現することに成功した。本システムはゴーグルがなくとも、誰もが手軽に利用できるスマートフォン用アプリとして開発、臨場感あふれる360度映像により建設現場の一日を新入社員として疑似体験できる。アプリのダウンロードはQRコードから可能だ。

 □現場作業所を広くオープンにして一般の人々ともども、建設業への理解を深めてもらう□

 アプリをダウンロードし起動すると、最初に現場作業所がVR空間上に現れ、ゴーグルまたはスマホのまま使用するのかが選択できる。画面上には「ホットスポット」や「リンク」が設定されており、フォーカスを当てると次の画面に遷移したり、社員からのメッセージを確認したりすることもできる。
 新入社員として現場作業所に出勤すると、朝礼や打ち合わせに参加することになる。その後、実際の測量業務に携わるかのような体験も経て、終業まで一日の流れに沿って協働する社員のコメントや解説とともに仕事内容を確認できる。建設に携わる技術者でも現場作業所の日常は縁遠い場合もある。仮囲いに囲まれ、外部からはうかがい知れない現場作業所を広くオープンにして、一般の人々ともども、リアルな建設業への理解を深めてもらうことで業界を志す学生などの人材獲得も目指している。

 □ラジオ体操から始まり「お疲れさま」の乾杯シーンまで作業所の日常をリアルに体験できる□

 現場作業所の一日は「みんなで一緒にラジオ体操。体を動かす前の準備は大事です!」から始まる。3Kの代表格のようであった作業所は空調も効いた一般のオフィス然としているし、机の上には1人1台のパソコンが設置され、現場のICT化が進んでいるのもわかる。女性所員の働きぶりの紹介もある。夏季の設定下では「PM休憩:かき氷おいしい!」や塩分補給用の「熱中あめ」の配布など、きめ細かな配慮がなされているのも垣間見られる。そして一日の終わりでの所員による「お疲れさま」の乾杯シーンでアプリは終了する。
 関連してアプリのダウンロードサイトでは、「東急建設/ケーソン工事業平橋ポンプ所施設再構築その4工事」も入手できる。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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