技・人づくり専門工事業ファイル

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技・人づくり専門工事業ファイル・19/文創(名古屋市)/定期採用の職人100人へ  [2019年1月29日]

小西社長(後列右から3人目)は「クロス職人をブランドとして確立させたい」と語る

 文創(名古屋市中村区、小西一隆社長)は、壁紙やカーペットなどインテリア工事を手掛ける内装仕上げ会社だ。人材不足への危機感から職人の定期採用を始めたのは7年前。若い職人が安心して働けるようサポート体制の充実にも余念がない。技能向上の場として会社に隣接した空き家を数年前に購入し、いつでも練習できる環境を用意している。
 創立は2000年7月。東京と大阪に営業所を構え、商業・店舗、マンション、一戸建て住宅などの施工を手掛けている。案件に応じて都市部以外にも出向く。
 営業職として従事してきた小西氏が35歳で先代から引き継ぎ社長に就任したのは10年前。それまで現場は外注の職人で賄ってきたが、会社として持続するには、高校卒の社員職人を定期採用する必要があると判断。東名阪を中心に北陸や九州地区の高校にも求人票を出し、人材の確保と育成に力を注いでいる。
 定期採用で春に入社した高卒社員には、社会人としてのモラルやマナー、現場での安全など、働くための基礎を1週間かけて教育した上で、1カ月半のローテーション研修で営業や現場、現場管理、事務の各部署を回って仕事を体験。それぞれの仕事の魅力を知った上で、本人の意思を確認して配属先を決める。職人志望で入っても、途中から営業職を選ぶケースもあるという。
 現場を志望すれば、外注として同社の施工に従事する職長に預けるなどして現場経験を積む。
 「ものづくり」が好きで入ってきた若者たちだが、独特の現場環境や人間関係に悩むことも少なくない。それをフォローするのがアシスタントと呼ぶ内勤の社員や、営業職として働く同世代の社員たちだ。職人の話を聞き、改善すべき点があれば対応するなど、安心して働きやすい環境作りに徹底して取り組む。
 職人としての誇りを持ってもらおうと、男性職人を「JAKS(ジャックス=迅速・安全・確実の略)」、女性職人を「W(ダブル)」と名付けてブランド化。デザインしたロゴの商標登録も取った。
 「スマホ世代」の若者向けに勤怠管理のアプリケーションを早くから導入しながら、働き方改革にも率先して取り組む。週休2日が基本だが、現場環境から達成が難しい場合もある。そんな時でも営業と職人が話し合い、どうしたら効率よく作業がこなせるかを議論するなど、若手の自主性も尊重する。
 4年前に購入した隣接の空き家は、「ジャックスハウス」と呼び、自主的に技能を高める練習の場として提供。技能検定前の事前練習にも役立てている。
 本人のやる気次第で独立も促し、技能で稼げる道も用意。18歳で入社し、22歳で独立した堀田一真さんもその一人で「『こいつが来れば現場が終わる』と思われる存在になりたい」と意気込む。
 独立組を含め、「定期採用した職人の数を10年後をめどに今の5倍の100人としたい」というのが小西社長の目標。クロス職人を他業界に負けない仕事として確立させたいと考えている。
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