建設キャリアアップシステムへの道・6/API連携に二十数件申請

2019年2月21日 トップニュース

文字サイズ

 ◇就業履歴、民間システム介して蓄積
 建設キャリアアップシステム(CCUS)との連携を目指す民間開発のシステムが二十数件に上っているという。運営主体の建設業振興基金(振興基金、佐々木基理事長)に各システムを開発した民間事業者から申請が寄せられており、仕様に沿ったものかを試験で確かめた上で連携システムとして順次認定する。民間システムを介して就業履歴データが蓄積できれば、利便性向上が期待できる。
 CCUSと連携する民間システムは、「就業履歴データ登録標準API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)連携認定システム」と呼ぶ。既存の入退場管理システムや安全衛生管理システムから、CCUSで蓄積していく就業履歴データを送受信できるようになる。
 各民間システムがCCUSと連携するには、振興基金から認定を受ける必要があり、そのための試験が順次行われている。
 試験では、標準API仕様に準拠したデータ送受信や記録・管理、登録機能を持つことに加え、指定するセキュリティー基準を満たすことなど、振興基金から提供されたテスト項目すべてに合格しなければならない。
 4月の本運用に向けて認定のための審査を行った上で、API連携が可能となるシステムの名称や運用会社をCCUSの専用ホームページ(http://www.kensetsu-kikin.or.jp/ccus/)の「認定システム一覧」に随時、公表していくこととなる。
 試験で不適合項目があった場合は、一定期間内にシステムを改修すれば再度認定試験を受験することができる。
 API連携の認定には、初期費用28万円+税、試験費用97万円+税のほか、毎年の監査費用として30万円+税が必要となる。
 振興基金が構築したCCUSに加えて、既に広く利用されている既存システムを介した建設現場での就業履歴データの蓄積が行えるようになると、キャリアアップカードを持つ技能者や事業者にとって利便性が一段と高まることが期待できる。試験を経て認定を受けるシステムの提供者にとっても、CCUSとの連携によって正確で真正性のあるサービスを提供できるなどのメリットが出てくる。
 労務・安全衛生管理書類をインターネットで簡単に作成できるグリーンサイトを中核とする「建設サイト・シリーズ」を運営するMCデータプラス(東京都港区、飯田正生社長)もCCUSとのAPI連携を目指して振興基金と契約を締結。今後行う試験を経て、連携システムとして認定される見通しだ。
 建設サイト・シリーズは、国内1万6000以上の現場で利用されており、技能者を抱えるユーザーの専門工事会社は5万社を超える。MCデータプラスでは、API連携によってCCUSでの就業履歴データの蓄積を可能とする仕組みをユーザーに提供することで、一段と利便性を高めていきたいとしている。
 =随時掲載
 《認定システムの機能に関する基準》
 △就業履歴データ登録標準API仕様に準拠したデータ送受信ができること
 △就業履歴データを記録・管理、登録する機能を有すること
 △CCUSのIDおよび建設キャリアアップのICカードでも申請するシステムやサービス等が利用できること
 △CCUSを使って得た顔写真データを「個人識別符号」として利用しないこと
 △アカウント権限によるデータ閲覧範囲を限定できること
 △就業履歴情報の真正性に関する情報(登録種別など)を正確に取得、送信する機能を有すること
 △事業者情報および現場・契約情報等の秘匿項目の取り扱いについて、就業履歴データ連携API仕様に準拠した制御ができること
 △就業履歴データ登録標準APIを使って行ったデータ連携について、ログ取得機能を有すること