紙面で振り返る平成の歩み・26/26(2014)年/担い手3法が成立

2019年3月13日 トップニュース

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 △「担い手3法」が成立、建設会社に適正利潤を
 △人材確保が活発化、「女性」「外国人」が照準
 △東京五輪に向け首都圏を中心に開発ラッシュ
 5月に成立した「担い手3法」。改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)、改正建設業法、改正公共工事入札契約適正化法(入契法)は建設業界が将来に向けて再生するための布石となるもので、業界から歓迎の声があがった。特に公共工事品確法は将来を担う若年労働者を確保するため、建設企業が適正な利潤を確保するようにすることが発注者の責務と明記。ダンピング受注に陥りやすい業界体質の改善を促し、適正な競争環境を構築する上で、その裏付けとなった。改正建設業法では建設業許可の業種区分を40年ぶりに改正。新たに「解体工事業」を追加し29業種とした。
 担い手確保の動きは業界全体に拡大。国土交通省と日本建設業連合会ら業界5団体は共同で、「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」を策定。女性技術者・技能者を今後5年で倍増させる目標を掲げ、職場環境の改善や長時間労働の削減、女性技術者を登用したモデル工事の実施など、各種の対策を打ち出した。「けんせつ小町」の愛称もこの年に公募で決まった。外国人の活用策も動きだした。政府は建設技能者の確保に向け、2015年4月から外国人技能実習制度の実習後に2~3年の特別な在留資格を付与することを決めた。
 20年の東京五輪・パラリンピックに向け、市場も徐々に活況を取り戻してきた。政府が策定した「日本再興戦略」には20年度までに東京などで大規模都市開発事業を約40件実現させることが盛り込まれた。前年に施行された国家戦略特区法も都市開発事業を後押しした。12月には東京(品川)~名古屋間を最短40分で結ぶリニア中央新幹線が着工した。