メガソフト(大阪市)は、自社製品で作成した3Dモデルをメタバース空間上にアップロードできる形式「GLB(※1)ファイル」として出力する新機能を開発し、提供を開始した。これによって建築に関わる3Dモデルをメタバース空間上にアップロードし、自由自在に配置、活用できるため、各種プレゼンテーションや内覧会などに手軽に援用できる。 □躯体・家具・建具類・マテリアル情報などのデータを圧縮してGLBファイルとして出力□ 新機能は「glTF/GLB出力」と呼称され、ファイル出力の方法は、新機能搭載の複数の製品上で統一されている。具体的には、3Dモデル作成後、3D編集画面の〔ファイル〕メニューから〔エクスポート〕〔glTF/GLB〕を選択、ファイル名指定画面でファイル種類〔GLB(*.glb)〕を選択することによって、躯体・家具・建具類、マテリアル情報(色・柄データ)など必要なデータを圧縮してGLBファイルとして出力する。 3Dモデルをアップロードするメタバース空間は、Mozilla Hubs(※2)とcluster(※3)を対象としている。Mozilla HubsはMozilla Mixed Realityチーム、clusterはクラスター社(東京都品川区)によって開発・運営されているメタバースプラットフォームである。 ここではMozilla Hubsでの操作方法を概略、例示する。 ・Mozilla Hubsで空間を構築するためのオンラインエディタであるSpoke(https://hubs.mozilla.com/spoke)にアクセスし、GLBファイルをインポートする。 ・〔NewProjects〕をクリックする。 ・Spokeの画面にGLBファイルをドラッグ&ドロップしてインポートする。 ・〔Publish to Hubs〕をクリックしてHubsにアップロードする。 ・〔Save and Publish〕ボタンをクリックする。 ・Hubsで閲覧するために〔View Your Scene〕をクリックするとHubsが開くので、〔このシーンで部屋を作成〕をクリックする。以下は略。 Mozilla Hubsとclusterへのデータ登録の詳細な手順はサポートページで公開している。 □建築・住宅・空間の3Dデータを援用できるように製品ラインアップの強化と機能を拡張□ メガソフトは、建築分野における3Dソフトを開発・販売する老舗システムハウスで、1996年発売の「3Dマイホームデザイナー」以来、建築・住宅・空間の3Dデータをユーザー自らが短時間で負担なく援用できるよう製品ラインアップの強化と機能拡張を行ってきた。高画質パース、ウオークスルー動画、360度パノラマ画像を出力する機能拡張やスマホ・タブレット用アプリ、VRシステムなどの開発、提供を行っており、今回の新機能〔glTF/GLB出力〕も3Dモデルをより一層、効果的に活用するための機能拡張の一環として行ったもの。 機能搭載製品は、3DマイホームデザイナーPRO10/PRO10EX、3Dアーキデザイナー11Professional、3Dオフィスデザイナー11で、今後の搭載予定は、3DインテリアデザイナーNeo、3D住宅リフォームデザイナーである。 (※1)GLB=3Dモデルのファイル形式のひとつで拡張子は「.glb」と表記される。同じく3Dモデルのファイル形式であるglTF(GL Transmission Format)をバイナリ形式に変換したものが「GLB」で、別名は3D用JPEG。主にWebブラウザ上で動作するコンテンツを作る際に用いられるフォーマットで、2000年に米国の非営利団体であるKhronos Groupによって開発・策定された。 (※2)Mozilla Hubs=https://hubs.mozilla.com/ (※3)cluster=https://cluster.mu/ 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)