デジタルで建設をDXする・73/樋口一希/3Dプリント住宅模型サービスを開始

2022年9月1日 ニュース

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 合同会社DMM.com(東京都港区)は、DMM.make 3Dプリント事業においてハウスメーカーや工務店の新規営業ツール向けに「3Dプリント住宅模型サービス」(https://make.dmm.com/public/print/housemodel/b/)の提供を開始し、すでに100棟以上の採用実績を有すると発表した。設計段階での3DCADの3Dデータがあれば、インターネット経由によって5分程度で注文でき、最短1週間程度で指定配送先に納品される。価格(税別)はカラー模型で6万6000円から、白模型は4万2000円からとなっている。

 □製造業などを対象に積極的に展開している3Dプリント事業を建築分野向けにも拡張□
 連載第58回(5月12日付)では3Dプリンター施工を実施するのに際して国内で初の建築確認申請を取得した事例を報告し、第61回(6月2日付)では慶応大学と金沢工業大学の3Dプリンター活用の先駆的な試みを紹介している。前回はメガソフトとBIMobject Japanによるデジタル素材提供の最新動向について報告した。
 「3Dプリント住宅模型サービス」は、それらBIM環境の進展やメタバースへの関心を受けて、多種多様な3次元データ・素材の提供機運が高まる中で、以前から高機能な3Dプリントを多数有して製造業などを対象とした3Dプリント事業を積極的に展開しているDMMが培ったノウハウを建築分野向けに拡張し、援用したものだ。

 □配送先などの基本情報・対象物件の3Dデータ・平面図などを送ると約1週間程度で納品□
 「3Dプリント住宅模型サービス」のページの下段左側の「こちらのフォーム」をクリックして表示される「住宅模型サービスお見積りフォーム」から基本情報(担当者情報、配送先、請求先情報など)、対象物件の3Dデータ、テクスチャーデータ(カラー模型のみ)、平面図(延べ床面積記載のもの)を入力する。初回注文時に法人登録が必須で、支払い方法は請求書のみ対応。
 提示された見積書を確認後、押印済の発注書(PDF)を担当者宛てに送付すると、発注書の受理後、約1週間程度で指定配送先に納品される。サービス対象となる3Dデータは、STL、3MF、OBJ、3DS、FBX、STEP、IGES、PLY、VRML、WRMLとなっている。
 全ページで暗号化通信(SSL)を採用、アップロードされたデータは通信時に暗号化され、漏えいや改ざんが行えないようになっている。

 □内部の家具家電・外構・階層ごとの分解も可能で基本スケール1/100以外のサイズにも対応□
 カラー模型は、フルカラーでの再現が可能で、提供データに基づき外壁や家具家電なども緻密に再現できる。白模型は、エッジの表現性が高く、シャープでクールな印象を再現しており、高額物件やデザイン性の高い物件に向いている。
 提供データの内容に依存するが、家具家電込みの3Dデータを入稿すれば、内部の家具家電の再現は可能だし、外構が含まれた3Dデータを入稿すれば外構の製作も可能だ。同様に提供データに基づき階層ごとの分解も可能となっている。
 1/100のスケールを基本としているが、それ以外の製作を希望する際には注文時に要望を伝えることで対応が可能。住宅だけでなく、マンションや集合住宅、ビルなどの模型の製作にも対応している。模型サイズに合ったアクリルケースも選定の上、提供可能となっている。
 【合同会社DMM.com】3914万人(2022年2月現在)の会員を有する総合サービスサイト「DMM.com」を運営している。1998年の創業以来、動画配信、FX、英会話、ゲーム、太陽光発電、3Dプリントなど多種多様な50以上のサービスを展開。2018年からは若手起業家の支援を強化し、「DMM VENTURES」による出資やM&Aなどを積極的に推進している。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)