台湾社会の発展へ-熊谷組「華熊営造」創立50周年・上/脱・日系企業へ次の一歩

2025年5月26日 台湾社会の発展へ-熊谷組「華熊営造」創立50周年 [1面]

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 ◇地域になくてはならない存在に
 熊谷組の台湾グループ会社「華熊営造」(台北市、新屋忠彦董事長)はこの50年間、現地で数多くのランドマークを建設してきた。2004年に世界一の超高層建築物として竣工した「国際金融センター101ビル」(通称・台北101、高さ508m)はにぎわいの絶えない、台湾を代表する施設となった。現在も超高層複合ビル「台北ツインタワー」や商業施設「京華廣場商辨大樓新築工事」など大規模プロジェクトが進む。同社は台湾に必要とされる会社を目指し、51年目の一歩を踏み出した。
 華熊営造は熊谷組台湾営業所のさらなる発展を遂げるため、現地法人として1974年に設立した。設立後、橋梁や高速道路など土木構造物の建設プロジェクトに参入し、事務所ビルや商業施設、高級住宅、半導体工場など建築分野にも領域を拡充。コンベンション・商業施設「台北世界貿易センター」、超高層ビル「新光摩天大楼」、二重らせん構造の共同住宅「陶朱隠園住宅」などを手掛けてきた。2024年12月10日に創立50周年を迎えた。
 4月18日、現地で50周年記念式典を開いた。熊谷組の上田真社長や山崎英樹執行役員国際本部長ら役員のほか、華熊営造の新屋董事長など関係者約400人が出席。華熊営造の協力会社などで組織する「台湾熊建会」の総会も行われ、施工力を担う多くの人たちと共に50年の節目を祝った。
 熊谷組グループは「安全・品質NO.1」をスローガンに、建設を通じて地域社会の発展に寄与し、多くのランドマークとなるプロジェクトを手掛けてきた。
 式典で上田社長は「50周年を迎えることができたのは皆さまの支援のおかげ。今後も次の100周年に向かって、新屋董事長が目指す『台湾になくてはならない企業』として台湾社会に貢献できるよう、グループ一丸で尽力していく」と表明した。
 新屋董事長は「これからの50年は台湾の建設会社として一段階上のレベル、脱・日系建設会社を目指す。台湾社会になくてはならない企業、台湾社会に必要とされる企業として活動したい」と今後のあるべき姿を示した。
 (次回から3面に掲載)

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