回転窓/若い力の台頭

2025年5月30日 論説・コラム [1面]

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 大相撲ファンにとって今週は注目の行事がめじろ押し。夏場所で2場所連続4回目の優勝を果たした大関大の里の横綱昇進が決定。28日に茨城県阿見町の二所ノ関部屋での昇進伝達式で、大の里は「唯一無二の横綱を目指します」と口上を述べた▼翌29日は部屋に二所ノ関一門の関取衆らが集まり新しい綱を作る「綱打ち」を行い、完成した綱が大の里の腰に巻かれた。そのまま元横綱の親方の指導で土俵入りを練習した▼二所ノ関一門は基礎中心の稽古を重視しつつ、アスリートのようなトレーニングや調整方法を取り入れるなど固定観念にとらわれない環境の中から若い力が台頭してきた。業界を問わず硬軟を織り交ぜた育成が次世代を鍛えるのだろう▼きょう30日は東京都渋谷区の明治神宮での横綱推挙式。日本相撲協会の八角理事長から推挙状と横綱が授与された後、公の場で初めて披露される土俵入りを楽しみにしている▼夏場所は全勝優勝に期待がかかったが、千秋楽結びの一番で横綱豊昇龍が土をつけ、全勝優勝を阻止した。24歳の若い新横綱にはこの1敗の悔しさを稽古の原動力にし綱の重責を果たしてほしい。