「学生のうちに遊んでおいた方がいい」--。社会人から学生へのアドバイスとしてよく聞いた言葉だが、今の時代はこれが思いもよらぬ受け止め方をされることもあるようだ▼職場でのインターンシップなどに参加する学生が聞くと、休みが少なく遊ぶことも難しい会社ではないかと敬遠してしまうのだという。捉え方の違いとはいえ、ある大学教授(建築)は学生にこうした言葉を掛けているとしたら「時代錯誤と認識してほしい」と手厳しい▼リクルートワークス研究所が4月に発表した2026年3月卒業予定の大卒(大学院卒含む)求人倍率によると、建設業は8・55倍と流通業の8・77倍に次いで二番目の高さ。製造業の2・33倍を大きく上回り、建設企業の人材採用は依然厳しい状況が続いている▼求人が多く豊富な選択肢に恵まれているがゆえに、自分の進む道に悩んでいる若者もいよう。学生の目線に立ったアドバイスを送りたい▼入社してからのキャリアパスをどう描け、どのような支援を受けられるのか。働く環境や処遇の良さに加え、これらを分かりやすく示すことが「選ばれる企業」となるには欠かせない。