「ミスタープロ野球」として偉大な功績を残した読売巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんが3日午前6時39分、肺炎のため死去した。89歳だった▼戦後を代表する国民的英雄の一人。現役時代は4番サードとして記録と記憶に残る活躍を見せ、引退後は監督としてチームを2度の日本一に導いた▼病に倒れた2004年以降も療養やリハビリを続けながら、球場を訪れ「勝つ、勝つ、勝つ」と選手を激励した。ミスター語録と呼ばれるほど多くの名言も残し、中でも1974年の引退セレモニーで語った「わが巨人軍は永久に不滅です」は今も多くの人の胸に刻まれているだろう▼時は流れ野球界も大きく変わった。大谷翔平という規格外の選手が米メジャーリーグで活躍し、国を超えて一挙手一投足が注目されている。最先端の技術で解析したデータを駆使したプレーは当たり前で、球場も進化を遂げている▼選手時代の活躍もあっただろうが、いるだけで雰囲気を一変してしまう圧倒的な存在感で時代を超え多くの人を引き付けてきた。まさに不世出の人物といえよう。ミスターの魂は不滅--。どうか安らかにお眠りください。