半導体製造装置メーカーの東京エレクトロンは、宮城県大和町にある製造子会社の東京エレクトロン宮城の本社工場北側で生産新棟建設に着手した。「宮城生産革新センター」と名付け、S造(免震構造)5階建て延べ8万8600平方メートル(付帯設備エリアを除く)の規模を計画。大成建設が設計・施工する。建設費は約1040億円。2027年8月の竣工、28年6月の稼働開始を目指す。
2日に現地で起工式を開き、関係者や村井嘉浩宮城県知事ら約100人が出席した。神事では大成建設の松村正人常務執行役員設計本部長が鎌、東京エレクトロンの河合利樹社長兼最高経営責任者(CEO)と東京エレクトロン宮城の神原弘光社長が鍬、大成建設の土屋弘志副社長執行役員営業総本部長が鋤を入れ、工事の安全を祈願した。式典後、神原社長は「革新的な装置技術と生産技術を融合した高品質で高効率な生産を実現する」との思いを説明。「宮城、東北地域の発展に貢献していく」と述べた。
計画地は大和町テクノヒルズ83(敷地面積11万1954平方メートル)。部品や製品を倉庫から無人で運搬する大規模なオートメーションシステムや組み立てロボットなどを導入する。半導体市場の急速な需要拡大に対応し、高効率で高品質な製造ラインを構築する「スマートプロジェクション構想」に基づく製造ラインを構築。付加価値の高い製品をよりタイムリーに提供でき、中長期に持続的な成長を目指す。net-ZEB対応建屋の採用や省エネルギー設備導入などで環境負荷を抑制する。