四国地方整備局は10日、愛媛県大洲市の肱川風の博物館で山鳥坂ダム本体建設工事の起工式を開いた。国・県市町、施工会社、地元の関係者ら約100人が出席し、工事の無事完成を祈願した。施工は安藤ハザマ・熊谷組・淺沼組JVが担当。1986年に実施計画調査を開始して以来、事業凍結など紆余(うよ)曲折を経て、治水の要となる工事がスタートする。
建設地は大洲市肱川町山鳥坂。2018年7月豪雨により甚大な被害を受けた1級河川肱川の支川・河辺川に大洲城の約5倍に当たる堤高約96メートル、堤頂長約279メートルで総貯水量2200万立方メートルの重力式コンクリートダムを建設する。堤体積は約53万立方メートルで重力式コンクリートダムとしては高さ、体積とも四国で3番目の規模となる。総事業費は約1980億円を見込み、32年度の完成を目指す。本体設計は建設技術研究所が担当。
18年7月豪雨を契機に国と県が進める肱川緊急治水対策「つなごう肱川プロジェクト」の総仕上げとなる。山鳥坂ダムが完成すると、流域の野村ダム(27年度に改良完成)、鹿野川ダム、河川整備と合わせて18年7月の洪水と同規模を安全に流下させられる。
1992年に事業着手した。25年7月に付け替え県道の一部開通や河辺川の流れを切り替える転流を開始。その後、ダムサイトを中心に伐採を進め、26年度に表面の土砂を取り除く基礎掘削が始まる。本体の中には選択取水設備や常用洪水吐き設備などを設置する。
式典で奥田晃久四国整備局長はすべての関係者に謝意を示した上で「スピード感を持って整備していく」と話した。来賓の中村時広愛媛県知事は「スムーズに無事に進むことを願う」、長谷川淳二衆院議員は「流域の安全・安心に寄与する」、山本順三参院議員は「一日も早い完成を」、二宮隆久大洲市長は「治水安全度をさらに高める」と祝辞を述べた。
藤本智宏山鳥坂ダム工事事務所長の事業説明に続き、施工者を代表し、池上徹安藤ハザマ副社長が「工事の安全を最優先課題に、作業員一人一人の安全と健康を守り、無事故・無災害で工事を完遂させる」と決意を語った。この後、奥田局長らが盛り砂に鍬を入れ、くす玉を開披した。
□川本卓現場代理人(安藤ハザマ)の話□
「ダムを手掛けるのは7カ所目。地元の念願であり、安全第一に早期に機能を発揮できるようにしたい。コンクリート打設の自動化に取り組む」。







