凜/土木技術者女性の会九州支部長・植田文子さん、多様な働き方実現を

2025年6月16日 人事・動静 [18面]

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 福岡市の職員として勤務する傍ら、土木技術者女性の会の運営スタッフを務めてきた。九州支部長としては4年目。土木の世界で活躍する女性が増える中、「後輩世代が男女差、個人差を気にせずに働ける環境をつくる」のが使命と考える。
 大学卒業後、民間企業での勤務を経て公務員となり、道路の維持管理や海外への下水道事業の技術協力などに携わってきた。女性の会との出会いは仕事と子育ての両立に悩んでいたころ。「参考になる話がたくさん聞けるのでは」と思ったのが入会のきっかけだった。
 かつての土木職は男性中心。周りの先輩からはよく「女性のロールモデル」を見つけるよう言われた。ところが性格も勤務条件も人それぞれ。無理に1人のモデルに当てはめようとせず、「いろいろな人のやり方を取り入れながら、自分のスタイルを見つけ出す」のが最善と気付いた。
 支部では現場見学会を行うほか、「自分なりの働き方やライフスタイルを実現するためのヒントにしてほしい」と、さまざまな人の事例を学び合う勉強会を開催。「組織を離れ一個人として年齢の壁がなく、フラットな立場で話ができる場」を心掛け、支部会員が自信を持って技術者として働けるよう後押ししていく。
 プライベートでは健康づくりのため、年に1回以上のフルマラソン出場を目標に課している。「ランニング仲間と一緒に走る時間が楽しい」と笑顔をみせる。
 (うえだ・あやこ)