入社5年目で水門調査や地質リスク調査を担当している。発注者との調整や地元住民への説明が多い仕事で求められるのは客観的な立場で話すこと。住民に向けては「一般にあまり知られていない仕事の重要性を伝える」姿勢を大切にしている。「平たい表現を使ったり、伝えたい部分だけを目立たせた資料を作ったりするよう心掛けている」。
昨年、応用理学部門の地質分野で技術士を取得した。目指すのは「小さな変化に気づき、関係者の思いを細やかにくみ取れる技術者」。業務では何年分もの報告書を読み込む場面が多い。そんな時に熟練の技術者は「協議や説明に必要な情報を的確に抜き出すのにたけている」と感じる。そうした技術者に少しでも近づくため、打ち合わせでは「その質問をしたらどんな情報が返ってくるか」を意識しながら、試行錯誤を繰り返している。
大学では農学を専攻した。研究室で日々過ごす中で「室内よりも、フィールドに出ての仕事の方が自分に向いている」と気付き、地元の地質調査会社に就職した。少しずつ経験を重ねるうちに「もっと幅広い仕事や、大きな構造物に携わってみたい」との思いが強くなり、八千代エンジニヤリングへの入社を決めた。
仕事では山や河川を相手にしているが、「漁師町出身の祖父の影響で海も大好き」。休日はダイビングを楽しむ。月に2、3回は行くほどの熱の入れようだ。
(すぎえ・みおり)(八千代エンジニアリング事業統括本部国内事業部地質・地盤部技術第二課)