清水建設は、北海道大学と共同で研究開発している既設コンクリートに二酸化炭素(CO2)を固定する技術について、実建物で初の試験施工を始めた。品川区第三庁舎(東京都品川区)のコンクリート外壁延べ55平方メートルに、CO2の吸収性能が高いアミン化合物2種類を表層に塗布。大気中のCO2をコンクリート内部に吸収・固定するのを促す。CO2固定量の変化を3年程度モニタリングする。
CO2固定化技術「DACコート」は、供用段階にある既設構造物のCO2吸収体としてのポテンシャルに着目。大気中のCO2吸収を促進するアミン化合物をコンクリート構造物に含浸させ、従来に比べ2倍以上のCO2をコンクリート内部に固定する。含浸剤のアミン化合物は防食性能にも優れ、コンクリートの中性化による鉄筋の防食を抑制。鉄筋コンクリートの長寿命化にもつながる。
DACコートは東京都が進める「東京ベイeSGプロジェクト」の先行プロジェクト。2023年度から中央防波堤(東京都江東区)に実大模型を設置し、塗布効果などを検証してきた。
5日に区役所で関係者らが会見し、試験施工を公開した。森澤恭子区長は「都や区が進める環境分野の施策と、産学連携による革新的技術を組み合わせ、環境対策をさらに進めたい。今日は重要な一歩だ」、都の同プロジェクト推進担当部長の松本克己氏は「先端技術がベイエリアを越え、内陸にも広がった。社会全体への実装を期待したい」と述べた。






