凜/兵庫県西播磨県民局龍野土木事務所道路課主査・増田のりこさん

2026年3月9日 人事・動静 [12面]

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 ◇不安を越えて、橋を架ける
 幼い頃から、関西国際空港や明石海峡大橋の建設を見て育ち、気が付くと巨大な社会インフラが形づくられていく姿に心を奪われていた。「いつか大規模なものづくりに携わりたい」。その思いをかなえるため工業高等専門学校に進学した。入庁は2006年。以来、道路事業を中心にキャリアを重ねてきた。
 現在は、JR網干駅西側の踏切渋滞解消に向けたバイパス新設事業を担当している。最大の難所は、JRの線路をまたぐ橋の架設だ。近接する網干総合車両所との関係で1日の作業は終電から始発までのわずか1、2時間。架設計画について鉄道事業者との綿密な調整が欠かせない。
 産休・育休の取得後、しばらく工事から遠のいて最初の担当工事。「自分に務まるのか」と不安だった。それでも上司や同僚に支えられながら、一歩ずつ前進してきた。インフラは、多くの人の力があってこそ形になる。「自分の役割は、事業の流れを止めず、次へとつないでいくこと」と語る瞳に、強い責任感がにじむ。
 住民の意見や要望とも誠実に向き合う。「相手の立場に立って考える。それが信頼につながる」。事業完了は約6年後。地域課題の解決に貢献し、完成した道路を喜んで使ってもらえる姿を思い描きながら、「いつか胸を張って子どもに見せたい」とほほ笑む。前向きさと笑顔を忘れず、きょうも現場に立ち続けている。
 (ますだ・のりこ)