回転窓/被災地と戦地の軍隊

2026年3月12日 行政・団体 [1面]

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 15年前、東日本大震災が発生した。取材で被災地に入った際に出会ったイスラエル軍の隊員が「必要な空間を整えてもらえた。パーフェクト」と話していた。大津波が襲った宮城県南三陸町の避難所に軍の医療チームが仮設診療所を設け、被災者を支援した▼診療所は緊急対応として、建設会社が運搬・設置したプレハブ平屋を使った。医療関係者が半数を占める約60人が活動し、内科、小児科、産婦人科などの機能を担った。日本と縁のある隊員もいて、幼児に向けた笑顔が心に残っている▼中東で再び戦火が上がった。イスラエルがパレスチナ自治区ガザで大規模な軍事作戦を開始してから、7日で2年となった。2月28日に始まったイランに対する米国との軍事行動も、和平への道は見通せない▼外電によると、イラン攻撃に伴いガザの和平計画を巡る協議が中断している。ガザでは人口の9割に当たる190万人が避難生活を余儀なくされているという▼南三陸町で活動した部隊は今、作戦行動のさなかだろうか。隊員と遊んだ幼児は成人式を迎える年頃だろうか。被災地で見た優しい笑顔と、戦争への複雑な思いが交錯する。