回転窓/天平の風を感じて

2026年3月25日 論説・コラム [1面]

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 社会科の授業で、語呂を交えながら覚えた年号の一つに710年の平城京遷都がある。人によって文言の違いはあるが、大抵は〈なんと美し平城京〉といった具合か▼そんな平城京があったのは、現在の奈良市中心部。天皇の住まいや行政機関の建物を今に伝えているのが世界遺産登録を受けた平城宮跡だ。宮跡は国営公園内にあり、小欄も訪れたことがある。気温が暖かくなり始めるこの時期に園内を散策すると気持ちが良い▼都の正門である「朱雀門」や国家儀式を行っていた「第一次大極殿」は朱塗りの柱と鴟尾(しび)と呼ばれる巨大な屋根飾りが施されている。公園の近くを通る列車からも建物群を見ることができる▼復元事業は2008年に始まった。その作業は膨大な文献と気の遠くなるような発掘調査が伴う。15日には儀式や宴席などに使用されていたとされる「東楼」の復元が完了した▼荘厳な建物は天平文化の象徴とも言える。きらびやかな衣装をまとった雅楽隊などが行進するイベント「天平への誘い」が5月3日に開催される。心地よい春風を感じながら、歴史と文化に触れる貴重な機会を逃す手はない。

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