新社長/イチケン・政清弘晃氏/商業建設強化し成長軌道に

2026年4月3日 企業・経営 [1面]

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 採算管理と生産性を重視し、主力とする商業施設の新築やリニューアルをさらに伸ばす。不動産開発やM&A(企業合併・買収)による業容拡大などに投資を重点化。連結売上高で1000億円台を継続し、安定した利益を確保して将来の成長を揺るぎないものにしていく。
 --就任の抱負を。
 「2026年3月期は増収増益を見込んでおり、連結売上高が28年ぶりに1000億円を上回りそうだ。27年3月期に始動した10カ年の長期経営計画と3カ年の中期経営計画では、連結売上高の目標を1500億円と1100億円に設定した。収益力を強化し、より安定した成長軌道に乗せていく。そのために必要な投資やリソースの投入は積極的に推進していく」
 --注力分野は。
 「強みとする商業施設の新築や今後増加が見込まれるリニューアルの需要を取り込み、さらなる伸長を目指す。資材や労務費の高騰は懸念されるが、採算性を重視した受注戦略や生産性を高める施工計画の立案などによって対処する。業績目標の達成には土木の強化も不可欠だ。24年に子会社化した地場ゼネコンの片岡工業(千葉県一宮町)が中心となり、舗装など公共工事や当社施工物件と一体になった外構工事に力を注ぐ」
 --M&Aをどう考える。
 「エリアによっては、事業基盤に課題も見られる。地方ゼネコンなどと連携できれば、リソースの補完や基盤の底上げに有効だろう」
 --建設事業以外の重点施策は。
 「不動産の『循環投資』だ。当社が取得した土地に商業施設やホテルなどを新築したり、既存物件の取得後に改修したりして建物の価値を向上させ、一定の収益を上げて売却し新たな不動産投資に充てていく。再生可能エネルギーを含む環境分野にも注力する。その一環として、27年3月には再生可能エネルギーの出力変動を調整する系統用蓄電池事業を開始する予定だ」
 --海外戦略の方向を。
 「ベトナムの事業体制を強化する。現地に進出している日系企業の店舗などの工事を照準にする。ベトナムの当社子会社ではBIMオペレーターの育成に注力している。今春に建築確認申請のBIM図面審査が開始され、国内のオペレーター不足を補完する目的もある。将来、他の建設会社や建築設計事務所などからの業務受託も展開したい」
 --今後目指すべき企業像は。
 「30年6月に迎える創業100周年やさらに先を見据え、社員が生き生きと誇りを持って働けるようにしたい。特に現場や支店など最前線で顧客と向き合い働いている人間を大事にしたい」。      (4月1日就任)
 (まさきよ・ひろあき)1986年大阪芸術大学芸術学部建築学科卒、イチケン入社。2020年執行役員、22年常務執行役員、23年取締役兼常務執行役員、25年同兼専務執行役員。どんな時も平静を保つ「人間万事塞(さい)翁が馬」の考え方が信条。だが「勝負どころではアクセルを踏みたい」とも。趣味はゴルフと旅行。大阪府出身、62歳。