鴻池組/地山評価システムを開発/AIでトンネル切羽前方地山を即時評価

2026年4月23日 技術・商品 [3面]

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 鴻池組は、AIを活用した地山評価システム「KtesAI(ケーテスアイ)」を開発した。トンネル工事の安全性、確実性、生産性を高めるのが目的。ドリルジャンボの機械データを解析し、切羽前方の地山状況をリアルタイムで評価。支保パターンや補助工法の適切な選定、発破設計を支援する。技術者の地山評価作業を補助し、山岳トンネル施工の高度化につなげる。
 KtesAIは、掘削時に取得するドリルジャンボのデータに加え、計測データや切羽評価点の推移、既施工区間の支保実績をリアルタイムで整理・分析する。未掘削部を含む前方地山の予測が可能となり、支保の設計や補助工法の必要性、発破パターンを掘削前に検討・準備できる。急変地山や湧水への備えに前倒しで対応。施工の安全性と品質を高めながら、工程管理の確実性も向上可能になる。補助工法の区間や範囲の合理的な決定で、経済的なメリットも得られる。
 山岳トンネルは、事前の地質調査だけで地山の状態を正確に把握するのが難しい。これまでは掘削後に切羽を評価し支保パターンを決めていた。坑口部や破砕帯など地質変化の大きい区間で、評価直後に地山状況が変わる恐れもあり、突発湧水や地質急変の対応が後手に回る課題があった。対策工の検討や施工のため掘削を停止し、工程に影響するケースも出ていた。
 システム開発完了後、自社施工の実績データを入力している。今後、新規現場にも適用を広げながら、機能向上と操作性改善を継続。より実用的な技術に発展させる方針だ。