神奈川県鎌倉市の松尾崇市長は28日、深沢地区に建設を予定していた市庁舎について、物価や建設費の高騰を理由に「公設公営での整備を取りやめる」と考えを表明した。速やかに有識者を交えた検討委員会を設置。PPP/PFIなど民間活力を活用した整備手法を模索する。年度内に新たな整備手法を決定する方針。市庁舎の設計で5月以降に予定していた日建設計との再契約は見送る。
同日に開いた議会全員協議会で説明した。深沢地区で計画していた新庁舎の整備費概算が、ここ数年の物価や建設費の高騰で当初の140億円から300億円近くまで膨らんだと報告。深沢地区の土地区画整理事業にかかる費用も、95億円増の358億円になるとした。松尾市長は「小中学校など整備が必要な公共施設はほかにもある。将来世代に負担をかけることはできないため、立ち止まる決断をした」と述べた。
市庁舎整備を巡って、市は当初、深沢地区への全面移転を計画していた。だが、移転に必要な条例改正を市議会で実現できず、計画が頓挫した。条例改正を伴わない方法として、現在地で建て替える現庁舎と、深沢地区に建設する新庁舎で機能を分散する「両輪体制」を2025年7月に打ち出していた。
松尾市長は、「両輪体制」での整備方針は維持するとし、深沢地区の新庁舎完成後に、現市庁舎の建て替えに着手する考えを示した。







