山崎文栄堂/東京都渋谷区に木質ビル建設/御神木をコンセプトに人が集う場に

2026年9月24日 企業・経営 [4面]

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 渋谷駅(東京都渋谷区)と渋谷、東京・港両区にまたがる表参道エリアの間に位置し、青山学院大学や金王八幡宮などがある文教・住宅エリアの渋谷4丁目に、外装や内装に木材をふんだんに使った木質ビルが完成した。オフィス用品の販売などを手掛ける山崎文栄堂(東京都港区、山崎登社長)が新築した建物は、S造9階建て延べ994平方メートルの規模で、高さが31・0メートル。「御神木」をコンセプトに、人が自然に集まり、温かさや癒やしを感じられる“街の新たなシンボル”となることを目指した。
 完成した「文栄堂渋谷木質ビル」の所在地は渋谷4の5の5。JR渋谷駅から東に約600メートル、六本木通りと八幡通りが交わる渋谷二丁目交差点に近接する。設計は太太建築設計事務所、施工は青木工務店が担当した。1~8階にはオフィスやカフェなどが入る予定。渋谷4丁目エリアの街並みを一望できる9階は、レンタルスペースとして開放する。
 交差点に面した外壁にはキソヒノキを約450平方メートル使用。最上階の9階は福島県産のスギを床材に使い、デッキ部分に屋久スギを組み合わせた。耐候性や質感の異なる木材を使い分け、それぞれの空間で異なる雰囲気を演出している。
 山崎社長は「100年後の渋谷の街を想像し、このビルに集まる人に温かさや癒やしをもたらす御神木のようなビルをつくりたかった」と話す。周辺は高層ビルが林立しているエリアだが、完成した木質ビルの近くには金王八幡宮があり、かつては薩摩藩邸もあった。「歴史を引き継ぎ、古いものと新しいもの、緑や人の温かさを感じられる場所を目指した」と山崎社長は語る。
 単に木質化するだけでなく、人の気配が感じられるビルにするため、各階に開口下端部の高さが異なる窓を配置した。開口下端部が低い窓は、ビル内で働く人が腰掛けられるようにし、高い窓は、立ったまま体を寄りかからせて街を眺められるようにした。外からビルを眺めた際に、窓の中に働く人の気配を感じられる構造になっている。
 山崎社長は「似たようなコンクリートのビルが並ぶのではなく、このビルのような建物が街に増えてほしい」と考える。木質ビルの建設を「会社にとっての大きな挑戦の一つ」と捉え、文具・オフィス用品の販売にとどまらず、人が働き、交流する場をつくることで、次の100年に向けた事業の拠点にする。