21日に関東甲信地方を通過した台風25号は、千葉県や神奈川県などに大きな被害をもたらした。両県や関東地方整備局らが被災状況の情報収集に全力を注いでいる。8月にも豪雨に見舞われた千葉県では、成田市で複数箇所の堤防が決壊し浸水被害が起きている。国はテックフォース(緊急災害対策派遣隊)を派遣して支援に当たっている。神奈川県では横須賀市などで土砂災害が発生。地元企業が復旧作業に奔走している。 =1面参照
広範囲で記録的な大雨をとなった台風25号。関東に接近する前の19日から雨が降り、19~21日の総雨量は千葉県で450ミリを超えた。各地で道路冠水や土砂崩れ、倒木などが発生した。県土整備部によると、被災現場の多くは復旧に向けて現地調査中という。袖ケ浦市の道路復旧作業中に男性1人が重機ごと土砂崩れに巻き込まれ、5メートル下の河川に転落。重機に体を挟まれて死亡した事故は、県が災害起因性を精査している。
市原市の高滝ダムは雨の流入量が増加したことで一時、緊急放流の可能性があった。上流域の降雨が予想を下回り、ダム貯水位が低下したため中止した。8月の豪雨で土砂崩れが発生し、応急復旧が済んだばかりの県道生実本納線(旧千葉外房有料道路)は橋の一部が崩落。通行止めとなっている。
同県内の鉄道も大きな被害を受けた。JR東日本によると、一部区間は運転再開まで相当の時間がかかる見通しだ。内房線の姉ケ崎駅~長浦駅間は、土砂流入などの被害が広範囲にわたり、損傷の激しい部分が多く、復旧まで約3カ月かかる見込み。
関東整備局はテックフォースの先遣隊を千葉県庁に派遣し、総力を挙げて応急復旧に取り組んでいる。リエゾン(現地情報連絡員)とも密にコンタクトをとった上で、21日以降は浸水被害のあった佐倉、八千代の2市と栄、白子の2町で排水活動に従事。被災前の生活に一日も早く戻れるよう支援している。
台風の被害は、治水や利水で重要な役割を果たしている印旛沼にも大きな爪痕を残した。県が管理する成田市下方と船形干拓(北印旛沼)に加え、新たに長門川の水が注ぐ栄町酒直でも堤防が決壊し、周辺地域で大規模な冠水が発生した。関東整備局は災害協定を結ぶ日本建設業連合会(日建連)と決壊した堤防の緊急復旧に向けた技術的な支援を展開。現地では鹿島の社員が対応に当たっている。
神奈川県では、横須賀市や三浦市で土砂災害が発生した。黒岩祐治知事は24日、両市の災害現場をヘリコプターで視察。その後の会見で「現場は悲惨と言うほかない。行方不明者の捜索に全力を注いでいるが、復旧にはまだ相当の時間がかかる」と話した。復旧作業に当たる企業に対しては、「国道や県道が一部崩落したが、建設会社の協力でいち早く開通できた。一生懸命に現場で作業する方々に感謝したい」と述べた。
県や市の要請を受け、横須賀建設業協会(永井福男代表)や神奈川県建設業協会横須賀支部(同支部長)は土砂や倒木の撤去作業をしている。神奈川県建設業協会(渡邉一郎会長)によると、県と横須賀市、三浦市から少なくとも28件(24日時点)の応援要請があったという。








