東鉄工業は、JR東日本管内の線路メンテナンス作業時にクマなど野生動物との遭遇リスクを抑え、作業員の安全を確保する自律歩行型動物撃退装置を開発している。装置はTechShare(東京都江東区、重光貴明社長)が販売する4足歩行ロボット「Unitree A2」がベース。スピーカーを搭載し警報音や動物のうなり声などの音を発生しながら、作業担当者の1~15メートル先を歩行する。
センサーを使って作業担当者の距離を一定に保つため、作業に集中できる。動物遭遇時にはおとりになり、逃げる時間を確保する。自律歩行は鉄道のレールをガイドの目印とする。システム開発はCalTa(東京都港区、古林秀之社長)が担当する。名称はRail Utility Keeper&Escortの頭文字をとり「RUKE(ルーク)」とした。
1日には名古屋市中川区で実証実験を行った。レールに見立てた木材を設置した会場で、屋外の基本動作と環境認識試験、音声・スピーカーの動作試験などを行い、動作確認や課題を洗い出した。
東鉄工業線路技術・DX推進部の住谷寿上席主任は「ここ数年、現場の作業員からクマを目撃したという報告が増加している。クマ対策で鈴や笛、スプレーを携行しているが、より安心して作業に当たりたいという要望があり開発することになった」と経緯を説明した。地元猟友会や自治体とも連携し「クマとの遭遇が避けられる装置に仕上げて作業員の不安を取り除きたい」と語った。導入時期は2027年春頃を予定。特にクマの目撃情報が多い新潟支店、高崎支店、八王子支店管内に配備する。
さらに「険しい坂路や段差なども超えられ、カメラもあり離れた場所から状態を確認できる。災害復旧現場の巡視にも活用したい」としている。6日には新潟県魚沼市のJR只見線上条駅~入広瀬駅間のメンテナンス工事で実証実験を行う。11月7、8日には長野県塩尻市でJR東日本が開く「塩尻鉄道せつび体験ラリー」で実物を展示する。









