26年熊本地震の被災地で、恒久利用を視野に入れた木造仮設住宅の建設が最盛期にある。地震が発生した後、豪雨に見舞われた能登半島地震の教訓を生かし、浸水想定区域に位置する建設地は豪雨などの災害時、上階に避難できるよう2階建て住宅を多く建設する。被災者に寄り添った住環境を整える。
県は災害協定に基づき、全国木造建設事業協会(全木協、安成信次理事長)、プレハブ建築協会(プレ協、芳井敬一会長)らに仮設住宅の建設を依頼した。1日時点で710戸が着工済み。うち203戸が完成しており、住民への引き渡しが始まっている。全木協は428戸の建設を担い、約60戸を引き渡している。
8日までに実人数で約420人の建築大工が現場に入った。現在の最盛期では1日当たり約200人が作業に従事する。建設要請を受けた全木協は、JBN・全国工務店協会(安成信次会長)に加盟する工務店を元請とし、全建総連(鈴木貴雄中央執行委員長)が建築大工を送り出す「労働者供給事業」のスキームを活用して工事を進めている。
発災後わずか6日の8月3日に着工した宇城市当尾仮設団地(第一期)は、9月20日に竣工した。現場の指揮を執るエバーフィールドの久原英司社長は「全国から大工が来て宿泊、消費などをすることで地元が元気になることが一番だと思っている」と話す。
同社は2016年の熊本地震をはじめ、能登半島地震でも木造仮設住宅の建設を担った。過去の災害対応で培った経験は今回の整備にも生かされている。現場で使う資材は、地域で通常流通しているものを基本としている。地域で普段から流通する材料を使うことで、調達のしやすさに加え地元工務店や木材流通業者など地域産業への需要波及も見据える。
恒久利用で仮設住宅をそのまま一般住宅として活用できれば、高齢者らの転居に伴う負担も軽減できる。熊本県住宅課の田添知和主幹は「少しでも居住環境を良くしたい。どの住宅も従来の6坪(約20平方メートル)から9坪(約30平方メートル)で整備してもらえるよう要望した」と話す。
さまざまな事業者が一丸となり、被災者の住まい確保に向けた取り組みが進む。災害時の住宅供給にとどまらず、復旧・復興までを見据えた住環境の整備が求められている。









