山梨県や県内の建設関連団体、教育機関などで構成する「建設産業担い手確保・育成産学官連携会議」は、甲府市内で13日に会合を開き、建設業界の担い手確保に向けて意見を交わした=写真。業界の魅力発信は、普通科高校の生徒も対象に加える。社会人向けの建築課程を設ける甲府工業高校の学びを、人材確保に生かす方策も検討する。
連携会議は、建設業界の深刻な担い手不足を受け、山梨県建設業協会(浅野正一会長)や県建設コンサルタンツ協会、甲府工高など産学官の関係者が2021年に立ち上げた。「やまなし建設産業担い手確保・育成アクションプラン」を策定し、小学生から高校生までを対象に出前講座やICT体験会、業界説明会などを実施してきた。プランは3年ごとに更新し、本年度で2期目が終了する。次期プランを見据え、新たな施策を議論した。
事務局の県土整備部は、建設系の専門課程で学ぶ高校生に加え、普通科の生徒にも業界への関心を持ってもらうため、魅力発信の戦略を示した。山梨建協の丹澤淳人副会長は「小中規模の会社では、同世代の同僚がいない若年層が孤立する傾向にある」と指摘。「社内教育の重要性やフォロー体制の構築をプランに盛り込んでほしい」と求めた。
甲府工高の菅沼雄介教諭は、「専攻科建築科」を担い手確保に活用するよう提案した。同科は平日夜間に開講する2年制で、修了時には1・2級建築士の受験資格が得られる。「普通科高校を卒業した専門性のない人が建設業界に入るのはハードルが高い」と指摘し、働きながら学べる環境が「業界の間口を広げる」と説明した。参加者からも賛同する意見が出され、次期プランに盛り込む方向で一致した。
人材の県内定着に向けては、山梨大学工学部土木環境工学科に入学する学生の出身地も話題となった。大学関係者によると、本年度の新入生に占める県内出身者の割合は特に低く、1割程度にとどまった。卒業後に県内の建設関連企業に就職する学生も1割前後の約5人と少ない。参加者からは「医学部のように、地元出身者が志願できる地域枠を創設できないか」との意見も出た。
丹澤副会長は会合後、取材に応じ、「会議の発足で建協と学校の接点が増えた。高校の建設課程の卒業生が県内に定着する割合は格段に向上した」と話した。







