世界レベルの大手昇降機メーカーと同等の利益率確保を目標に掲げた。先行する企業に学びながらオペレーティングモデルを迅速に変革。研究開発への投資も増やし、顧客の期待を超えるイノベーションを創出する。ビジネス環境や顧客の要求に素早く対応する“ハイベロシティ企業”を目指す。
--就任から約4カ月が経過した。
「日本の製造業はポテンシャルが高い一方で、テクノロジーを使い切れていないと感じている。グローバル市場での地位確保にも苦戦している。当社もポテンシャルは高いが、生かし切れていないところがある。グローバル・エクセレント・カンパニーへの成長を目指したい」
--今後のかじ取りは。
「2026年3月期の連結売上高は過去最高を更新したが、会社のポテンシャルを考えれば、さらに利益を積むことができると思っている。社会や顧客に提供する価値を高めることで、世界レベルの大手メーカーと同等の利益率の確保を目指す」
--利益率を高める方策をどう考える。
「リニューアルと保守の領域で投資を増やして利益水準を引き上げ、会社全体の成長につなげたい。リニューアルは、他社製品のリニューアルや保守にも対応できるよう、技術力を高めていく。保守はデジタルで専門的な技術などを補いながら、保守要員の多能工化を進めていく」
「本社のグローバル化も進める。地域ごとの経験やノウハウを直接、各国のグループ会社間で共有できるようになれば、さらに多くの可能性が生まれる。オペレーションモデルの転換に向け、グローバルな視点でファイナンスや人事制度の標準化を目指している」
--グループ全体で注力する分野は。
「昇降機の稼働を通じて蓄積した、人流や属性などさまざまなデータの活用を考えたい。現在はメンテナンス以外で生かせていないデータを、ソフトウエア開発会社やロボットメーカーなどとの協業を通じて活用し、他社にはない新たな価値を創出することで、企業価値の向上や成長につなげる」
「市場全体で見ると、新設台数は数年前から緩やかに減少している。リニューアルや既設昇降機の性能改善などの需要もあるため、日本市場は伸びしろがあるとみている。海外は北米やインドなど、市場規模が2桁成長している地域で、着実に需要を取り込む。海外メーカーよりもきめ細かく顧客の要望に応え、リニューアル領域も拡大させる。国内外の両市場で着実に業績を伸ばし、目標達成に向けた成長曲線を描きたい」。
(6月26日就任)
(いちむら・ゆうじ)1984年大阪大学経済学部卒、NEC入社。2012年コニカミノルタ入社、18年常務執行役。22年三菱ケミカルグループ執行役兼シニアバイスプレジデント兼最高デジタル責任者(CDO)。26年フジテック社外取締役を経て6月26日付で現職。大阪府出身、65歳。テニスは学生時代から競技として続けている。







