安藤ハザマら/山岳トンネルでの次世代通信実証/大容量データ伝送に成功

2026年10月20日 技術・商品 [3面]

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 安藤ハザマらは、山岳トンネル坑内の遠隔施工管理に関する新たな技術実証に成功した。NTTグループの次世代情報通信基盤「IOWN(アイオン)」を活用。岐阜県白川村の現場で、約1000キロ離れた距離からの遠隔検査を想定。坑内に設置したカメラ15台の映像を伝送し、幅0・2ミリのひび割れを遠隔で発見可能であると確認した。2027年度以降、実運用に向けた段階的な検証に着手する。
 NTT、富士通グループでネットワーク事業を展開する1FINITY(川崎市中原区、森林正彰社長)と共同実施。4車線化を進める東海北陸自動車道椿原トンネルの掘削現場(発注者=中日本高速道路)で3月に行った。粉じんや湧水、振動が発生するトンネル坑内環境で大容量の通信を円滑に可能であるかを確かめた。
 延長1500メートルの坑内に、延長1100メートルの光ファイバーケーブルを敷設。切羽から100メートルの間隔で6台の光伝送装置を置いた。現場事務所を1000キロ離れた場所に見立て、大容量・高速の次世代型通信網「IOWN APN」への接続による伝送の実現性を検証した。
 4K映像と音声を伝送し、坑内にある幅0・2ミリのひび割れを遠隔から確認。ひび割れは凹凸のある壁面画像を学習させたAIの画像解析による検出に成功した。人の目視による検査時の見落としリスクを低減し、早期の異常検知が可能であると分かった。
 光通信ネットワークの区間での遅延は問題ない値であった。24時間以上の連続稼働でも大きな問題なく作動を続けた。複数箇所の同時映像監視と大容量データ伝送の両立も検証。8Kカメラ15台分の監視映像と併せ、約20ギガバイトの3D計測データを坑内から事務所まで1分程度で伝送することにも成功した。
 山岳トンネルの遠隔施工管理の実現には、高精細な映像や大量の3Dデータをリアルタイムで安定的に送ることが課題となっている。今回の実証結果を受け、複数のトンネル現場、遠隔オフィスでの試行を展開。27年度以降は実環境での有効性の検証にも乗り出す。