鹿島/VOC汚染土壌の浄化効果持続/強酸化力の化学反応生成物質を活用

2026年10月21日 技術・商品 [3面]

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 鹿島は、揮発性有機化合物(VOC)で汚染された土壌の浄化効果を長持ちさせる薬剤を開発した。過酸化水素と鉄を混ぜる「フェントン反応」で生成される化学物質の強い酸性力を利用し、VOCを分解して無害化する効果に着目。さらに鉄を安定保持する生分解性触媒の配合設計を工夫し、従来品に比べ化学物質生成の持続性に優れた薬剤として高度化した。多様な施工環境に対応する。
 中性フェントン薬剤の「フェンミックス」として開発した。強い酸化力を持つ化学物質のヒドロキシルラジカルを生成するフェントン反応の一種で、酸性化せず中性領域で地盤や地下水に含まれるVOCを分解し無害化する中性フェントン反応を応用。鉄を安定保持する生分解性触媒の配合設計を工夫し、VOCを原位置で長期間にわたり効率的に分解し無害化できるようにした。
 汚染サイトの条件に適した工法と組み合わせ、広大な施工空間や狭い場所に応じた幅広い条件に適用する。広い施工空間が確保できる場合、地上から供給した薬剤を高圧噴射しながら土壌と混ぜ、汚染土壌と薬剤を強制的に接触させる「ジェットブレンド工法」を推奨。薬剤を対象地盤に短時間で広く行き渡らせる。
 一方、既設構造物周辺や建物が稼働中の敷地内など狭い場所では、ボーリング孔内の対象注入深度の上下に設置したパッカーを膨らませ、薬剤の上下方向への移動を抑制しながら対象深度に薬剤を注入する「ダブルパッカー工法」を推奨する。スリーブバルブを搭載したダブルパッカーシステムで圧力を制御しながら薬剤を注入することで、狙った深度に集中して薬剤を供給できる。
 従来の中性フェントン薬剤は、鉄が早く失活して薬剤の効果が長持ちせず、汚染粒子に十分行き渡る前に効果が低下し、地下水中のVOC濃度が再び上昇する事態も招いていた。施工期間の長期化や施工コストの増加を生む要因にもなっており、効果を長持ちさせる薬剤の開発に至った。
 環境省の「令和6年度低コスト・低負荷型土壌汚染調査対策技術検討調査」に採択され、実証実験と専門家による評価で有効性を確認済み。今後、VOC汚染対策が必要な工場や事業所で適用拡大を目指す。