長野県が長野市の湯の瀬ダム直下に建設した「湯の瀬いとおしき発電所」(長野市)が、1日に運転を開始した。水力発電の年間発電量は345キロワット時。約960世帯分の電力が賄える。年間約1500トンの二酸化炭素(CO2)排出量の削減を見込む。設計・施工は北野建設が担当した。
県は20日に現地で竣工式を開いた。長野県の吉沢正公営企業管理者は「気候変動への対応や脱炭素社会の実現が世界共通の課題となる中で、発電所の完成は新たな一歩となる。県の豊かな水の恵みを生かし、再生可能エネルギーの普及拡大と活力ある地域づくりに取り組んでいく」と述べた。続いて、北野建設の丸山譲執行役員土木事業本部長に感謝状を贈った。
丸山氏は「発注者の熱意と尽力で実現した意義深い事業だ。これからも安全と品質を第一に、皆さんの期待に応えていきたい」と話した。この後、関係者らによるテープカットとくす玉開披で無事完成を祝った。
湯の瀬ダムは1級河川・信濃川水系裾花川の上流部にある。堤高18メートルの県営重力式コンクリートダムで、上水道・発電を目的にしている。湯の瀬いとおしき発電所の所在地は入山5057の2。オーストリアの水車メーカー・ゲッパートハイドロが製作したS型チューブラ水車を採用。落差が小さいダムの地形に合わせ、水位や流量が変わっても安定した発電量を確保できるようにした。工事費は約31億円(税込み)。
建設に当たっては、県内企業が参画する「信州Green電源拡大プロジェクト」のスキームを活用した。参加企業はセイコーエプソン、キッセイ薬品工業、キッツ、KOA、八十二銀行(長野市、樋代章平代表取締役頭取)、ユウワ(長野県小諸市、渡辺稔代表取締役)の6社。各社が県内の水力発電所で生み出された電力を購入し、購入費用の一部を水力発電所の建設と、中部電力二股水力発電所(北安曇郡白馬村)の改修に充てる。
日本生活協同組合連合会(日本生協連)らが出資し設立した電気事業会社の地球クラブ(東京都渋谷区、朝比奈まゆ子社長)と売電契約を締結。県内のコープ店舗や組合員に電力を供給し、再エネ電力の地消地産につなげる。







