東京理科大学は21日、千葉県野田市にある野田キャンパスで報道陣向けの施設見学会と説明会を開いた。2031年の創立150周年に向けた中長期的な教育、研究方針や重点施策を発表。見学会では学内にある大型の実験用水路などを公開した。同県内で8、9月に相次いで発生した風水害を踏まえた都市防災研究の知見などを公表、解説した。
説明会に先立って開いた見学会では、水理実験で使用する長さ20メートル×幅1メートル×高さ1・8メートルの大型水平開水路を公開した。同県は8月に豪雨災害が発生し、9月には台風25号の影響で大規模な水害が続いた。社会基盤工学科教授の二瓶泰雄氏は「同じ地域で連続して災害が起きるマルチハザードが発生した」と指摘。学内の教授ら40人以上と社会基盤技術の構築やインフラ強靱化の社会実装に向けて分野横断的な融合研究をする意義を語った。
8月の豪雨では内水氾濫で、千葉市のJR蘇我駅周辺で道路が冠水した。二瓶氏は「谷状の地形で水が集まりやすい上に線路などの盛土構造物が雨水をせき止めた」ことが氾濫を助長したと分析する。
9月の台風25号では同県成田市の印旛沼の堤防が決壊した。「県土の約1割を占める広い流域から短時間で雨水が集中した。ピーク時には構造物の安全基準となる計画高水位を大きく上回り、危険な状態が長く続いた」ことが決壊の主因ではないかとの見解も示した。
二瓶氏は、同県が21日に設置した「印旛沼堤防調査委員会」などの有識者会議に委員として参画する。「都市化が進んだ千葉県の特性を踏まえたまちづくりのため、役割を果たしたい」と語った。
見学会では、26年度に新設した創域情報学部の実践型授業や宇宙に関する取り組み、電気自動車(EV)の走行中ワイヤレス給電の研究、実験も公開した。
宇宙工学の分野では清水建設や大成建設、竹中工務店らと共同で研究や技術開発を進めている。EVの走行中、道路に埋設したコイルから給電する技術も紹介。テストコースでバスの実走実験を披露した。東亜道路工業や熊谷組と協力し、路面構造の耐久性向上やコスト低減などに取り組んでいる。
説明会では浜本隆之理事長が登壇し、創立150周年に向けた長期ビジョンを説明。研究成果の社会実装や産学官連携の強化方針を示した。石川正俊学長は、異分野連携を促す構想のもと、研究重点型の理工系総合大学としての機能を高め、広大な野田キャンパスの研究基盤を核に社会課題の解決を推進していくことを強調した。








