建設技術研究所がマンホールのふた裏に水位観測センサーを取り付け、都市部の浸水リスク情報をリアルタイムに提供している。ふたを交換せずに、下水道管内の水位情報データを収集。防災情報が一元的に確認でき、迅速な初動対応につなげる。8月の千葉豪雨では、柏市内に設置したセンサーと観測状況を発信する地図システムが効果を発揮した。避難行動の判断する地方自治体の支援など、浸水被害の軽減に貢献する。
管路内リアルタイム水位監視センサー「監視チュウ」を日本インフラ計測(東京都豊島区、樋口哲也代表取締役)と共同開発し、2022年8月に提供を始めた。既存のマンホールのふた裏に水位計と通信装置を設置し、管内の水位を観測する。管渠内での設置作業が不要で、マンホールふたを取り換えることなく短時間で設置できる。
建設技術研究所は17年に開発した水災害リスクマッピングシステム「RisKma(りすくま)」と監視チュウを組み合わせた、下水道管内のリアルタイム水位監視システムを実用化した。監視チュウの観測結果を携帯電話回線でRisKmaに伝送。自治体などの施設管理者がいつでもどこでも確認できる。防災情報の公開に加え、大雨時のパトロールや水位計測などの現場作業の負担も軽減する。
柏市はRisKmaを活用し、ホームページでマンホールの水位情報を公開している。22日時点で20カ所のリアルタイム水位情報が閲覧可能。雨量計データや発令中の警報・注意報など、複数の防災情報と併せて確認できる。
センサーと地図システムを組み合わせた水位監視システムは、国土交通省の上下水道DX技術カタログに掲載された。同社によると9月末時点で、同市以外に北海道苫小牧市でも同様の仕組みを構築している。今後は防災情報の公開に加え、水害対策施設の整備前後の効果検証などにも活用していく。








