BIMの課題と可能性

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BIMの課題と可能性・122/樋口一希/高砂熱学工業のBIM運用・2  [2016年8月4日]

干渉チェックの事例

 設備(工事会社)サブコンとしての高砂熱学工業のBIM運用を設備BIMと位置付けられる設備CAD「CADWe’ll Tfas 8」(ダイテック製)との「現在」とともに概説する。


 □設備BIMを業務革新の中核に位置付け活動を開始したプロダクトイノベーションセンター□


 設備サブコンとして現場業務の革新を目指し、ソフトベンダーのダイテックとの協力のもと、設備CAD「CADWe’ll Tfas 8」の改良を続けている高砂熱学。BIM以前から、施工現場での設備機器類の3次元データによる重ね合わせによる干渉確認や相互調整などを中心に運用を続けてきた。

 今年度には技術本部プロダクトイノベーションセンターを設立し、設備BIMをより明確に現場業務革新の中核として位置付け、活動を始めた。加えて、設備BIMによる3次元モデルと各種技術計算や積算業務との高次の連携を図るべく、直近の16年4月にBIM推進室を設立している。

 一方で、従前通りに、行政対応や工程間の承認・捺印が2次元図面で行われるため、大量かつ多種多様な図面作成が求められる。技術者は、3次元モデルと2次元図面とを取り巻く現状をどのように捉えているのか。ここにも本稿で継続的に追いかけているテーマが潜在している=表:「施工計画(図面)」参照。


 □結果的に2次元図面作成が3次元モデル作成に連動する自己完結的な設備BIMの優位性□


 これまで論考したように、設備業界では、意匠系BIMへの注目が集まる以前から、設備CADでの3次元データの運用を先行し、定常化していた。背景には、当初から、「3次元データから図面を描く=切り出す」との、設備BIMの要諦を先取りした優れた開発コンセプトがあった。

 設備CAD「CADWe’ll Tfas 8」では、3次元モデルと2次元図面が連動しているため、図面変更時には、平面図・断面図を(修正するような操作を)通して、直接、3次元モデルを修正している。すでに技術者に「3次元モデルを作成している」との意識はなく、結果的に2次元図面の作成自体が3次元モデル作成となっている。


 □内蔵の干渉チェック機能+3Dキット作動で設備BIMに特有のルート移動・部材移動を実行□


 設備CAD「CADWe’ll Tfas 8」は3次元モデルの干渉チェック機能を本体に内蔵している。

 3Dキットの稼働で干渉箇所が赤色+図面上には雲マークで表示される。干渉箇所は一覧表示でき、干渉実態は「設備名」「シート名」「用途名」などの詳細情報で表示+吊り部材との干渉チェックも可能だ。

 干渉一覧をクリックすると、干渉箇所まで画面表示が移動+干渉箇所の指定で干渉一覧の当該箇所が選択される双方向性を持つ。チェック効率向上に役立つ、不干渉箇所を除外リストとして保存・読み込みできる機能もある。冷媒管では保温厚込みの実サイズで干渉チェックするのも実務向きだ。

 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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