BIMのその先を目指して

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BIMのその先を目指して・8/樋口一希/東急コミュニティーの3D修繕履歴管理・2  [2017年8月3日]

ウォークスルー機能

 東急コミュニティーとサイトセンシングが共同開発した既築マンションを3次元モデル化し、長期運用する3D・修繕履歴管理システム「TC3ARD(ティーシーサード)」の中核機能について報告する。


 □緊急度の高い箇所からの段階的改修でも工事部分を時系列で表示して工事履歴と連動管理□


 老朽化が進むマンションでは、効率的なメンテナンスや改修を行うに際して、過去の履歴情報などが必須、重要だが、それにも関わらず、図面や修繕履歴が整理、管理されておらず、いつ誰が工事したのかも全く把握できない場合もある。

 それら基本情報が整備されていないマンションでも「TC3ARD」を用いることで建物のライフサイクルを長期的な視点で管理できるようになる。

 最も重要なのは、管理組合の財政状況に合わせて緊急度の高い箇所から段階的に改修せざるを得ない際に、動画再生のように特定の工事部分を時系列で表示、工事履歴と連動管理できることだ。


 □居住者・近隣・工事業者など関係者の合意形成を支援する工事の「ビジュアル=見える化」□


 既築マンションの大規模修繕工事では、関係者が多数、多岐にわたり、着工後においても、いかにして合意形成を工事進行に合わせて正確かつ迅速に行うのかが成功の可否を左右する。「TC3ARD」では、改修工事の非専門家(居住者)にも進行状況が会議室などで居ながらにして確認できる「ウォークスルー機能」を装備している。

 特に近隣住民対策に効果的なのが工程に合わせて足場の設置状況を確認できる「足場設置シミュレーション」だ。足場架設計画の検討にも威力を発揮する。


 □3次元モデルにあらかじめ基本情報を付与することで選択した領域ごとの数量積算に対応□


 図(積算方法)にあるように、数量積算したい部位をビジュアル的に領域選択することで「TC3ARD」は自動計算を開始する。

 事例では、部材名「タイル1」の数量が126,146(m2)であり、レイヤー色(紫)、基礎量「137,569(m2)、被減算数量「11,423」そして作成日が自動計算され、3次元建物モデル側のタイル1の紫の部位が標記されている。BIMソフトと数量計算・積算ソフトとの連動は今も進化し続けているが、その中でも3次元建物モデルとI=Informationがリアルタイムで連動する「TC3ARD」の優位性は群を抜いている。

 東急コミュニティーでは、部分的、段階的に改修する場合、工事ごとに実施していた積算業務を2回目以降は5割ほど削減できたと成果を公表している。

 (出典:東急コミュニティー・ニュースリリース)

 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週火・木曜日掲載)

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